カテゴリー: FEATURES

Vol.137 Keith Scott / January 2024

Keith Scott


Photo ©Keith Scott

英国ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで2022年に収録されたブライアン・アダムスのライヴ作品「LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL」がリリースされた。この作品は「CUTS LIKE A KNIFE」、「INTO THE FIRE」、「WAKING UP THE NEIGHBOURS」の3枚のスタジオアルバムのそれぞれを全曲ライヴで演奏されたものが音源、映像で収録されている。このライヴ作品では、ブライアンの名曲の数々が今も尚、色あせることなくパワーと輝きを放っており、ブライアンとブライアンの盟友であるギタリスト、キース・スコットの素晴らしく、そして強固なコンビネーションが健在であることを証明している。このライヴ作品でも歌心あるギタープレイでブライアンの楽曲を見事に惹きたてているギターの名手、キース・スコットにこの作品について語って貰った。

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Vol.136 Francis Dunnery / November 2023

Francis Dunnery

ロックギタリスト達の多くが、そのプレイのルーツ、拠り所として取り上げるブルース音楽。そのあらゆる感情をダイレクトに表現し、聴き手に突き刺さるこの音楽に真正面から取り組んだリアルなブルースアルバム「THE BLUES OF TOMBSTONE DUNNERY」をフランシス・ダナリーがリリース。80年代にはプログレッシヴ・ロック・バンド IT BITESにてギタリスト・シンガーとして活躍したフランシス・ダナリーは、IT BITESから離れた以降も自らのミュージシャンとしての創造力に更なる輝きを増した数多くのアーティスティックな作品を創り続けていたが、2023年からは遂にIT BITES FDとしても始動しており、ライヴ作品「Live From The Black Country」をリリースしている。最新ブルースアルバム「THE BLUES OF TOMBSTONE DUNNERY」のことや気になる今後の予定についてフランシス・ダナリーに訊いた。

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Vol.135 Carl Verheyen / September 2023

Carl Verheyen

Carl Verheyen (カール・ヴァーヘイエン)の最新アルバム『RIVERBOAT SKY』がリリースされた。そのリアルなギタープレイにより弾き出される本物のギタートーンは、真に匠ならではのものである。全8曲が収録された今作では、8曲中の7曲がボーカル曲、残り1曲の”APRIL SURPRISE”がインストゥルメンタル曲の構成となっている。参加メンバーは、ジョン・メイダー(DRUMS)、デイヴ・マロッタ(BASS)、トロイ・デクスター(KEYS)からなるカールのお馴染みのツアー・バンドを核として、更にキーボードにジム・コックス、ドラムのチャド・ワッカーマン、パーカッションのアレックス・アクーナが参加。また、タイトル曲 “RIVERBOAT SKY” では、ソフィア・ジェームズ(米国のオーディション番組アメリカン・アイドルで知られている)が、カールとのボーカルに参加している。心強いメンバーをバックに制作された今作は、カールの味のある心地よいボーカル、匠なギタープレイの充実度はもちろん、各楽器パートによる臨場感に溢れるインプロヴァイズも充実しており、ボーカル入りの曲を好む音楽ファン、インストゥルメンタル曲を好む音楽ファン、双方の音楽ファンにアピールするバランスの取れた作品となっている。最新アルバム『RIVERBOAT SKY』についてカールに語って貰った。

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Vol.134 Michael Thompson / July 2023

Michael Thompson


© Lindsey M. Thompson

セリーヌ・ディオン、マライア・キャリーなど数多くのビッグ・アーティストのレコーディングやツアー、また、映画音楽への参加などで楽曲をより魅力的なものに昇華させるための最適解のギターをプレイしてきた超一流のセッション・ギタリスト、マイケル・トンプソン。
自身の活動としてもこれまでにソロアルバム『The World According To M.T.』、『M.T. Speaks』をリリースし、洗練されたクレバーなギタープレイが散りばめられた音楽でギターファンを魅了している。また、Michael Thompson Bandとしても過去に3作のスタジオアルバム、1作のライブ作品をリリースしており、その活動においてはギター音楽のファンに限らない、AOR / Rock音楽といったより幅広い音楽ファン層にアピールする音楽を手掛けている。
今回、そのMichael Thompson Bandにデビュー作『How Long』でボーカルを務めたムーン・カルホーンが復帰し、ニューアルバム『THE LOVE GOES ON』をリリース。このアルバムは、楽曲の持つメロディと表現力豊かなムーン・カルホーンのボーカル、アレンジの素晴らしさといったトータルな音楽面での魅力を持っている。さらにマイケル・トンプソンの楽曲をひきたたせる匠なギターも大きくフーチャーされており、AORやロック音楽を好むリスナーとプレイヤー目線を持つギターファンの双方を両立して満足させる作品となっている。ニューアルバム『THE LOVE GOES ON』についてマイケル・トンプソンに訊いた。

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Vol.133 Martin Miller / May 2023

Martin Miller

オンラインでのギターレッスンやギター教材の提供、そして登録者数が70万人以上、再生回数も1億2000万回以上を誇る自身のYouTubeチャンネルでは、Martin Miller Session Bandで70~90年代の名曲の数々を質の高いカヴァーで披露するなどで世界中にコアなファンを持つドイツ出身のミュージシャン、マーティン・ミラー。2013年にはギター主導のインストゥルメンタルアルバム「The Other End」をリリースしているマーティンだが、今回は自身がボーカルも担う最新作「Maze of My Mind」を発表。キャッチーな歌メロと高度なテクニックを基盤に知的なフィーリング、センスが溢れ出るギターワークが彩るプログレッシヴ・ヘヴィ・ロックに仕上げられたこの最新作では、マーティンのギタリストとしての魅力はもちろん、ボーカリスト、作曲・アレンジといったトータルな音楽センスが遺憾なく発揮されている。最新作「Maze of My Mind」についてマーティンに訊いた。

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Vol.132 Mike Keneally / March 2023

Mike Keneally


Photo by Martin Mann

フランク・ザッパ・バンドの後期をギタリストとして支え、その後も自身のソロ活動はもちろん、スティーヴ・ヴァイやジョー・サトリアーニ、デヴィン・タウンゼンドといった優れた鬼才、偉才なミュージシャンたちのアルバムやライヴにギター、キーボードで参加するなどマルチな才能を発揮し続けているマイク・ケネリー。ボーカル、ギター、キーボード、作曲、プロデュース etc. などマルチに音楽を操るミュージシャンは世に少なくないが、マイク・ケネリーのようにザッパ・バンドやスティーヴ・ヴァイ、ジョー・サトリアーニなどを確実にサポートできる突き抜けた演奏テクニック、音楽的な感性を持ち、コンポーザーとしても珠玉のメロディを紡ぎ出し、独自の摩訶不思議な音楽世界を創造できるミュージシャンはとても貴重な存在である。そんなマイク・ケネリーがニューアルバム「The Thing That Knowledge Can’t Eat」をリリースした。アルバムは全9曲でおよそ42分とコンパクトではあるが、どの曲も良い意味で普通ではない非常に癖があり、聴きごたえ十分の音楽エッセンスが詰め込まれたアイデアの宝庫となっており、聴き手を強烈に魅了する。マイク・ケネリーにニューアルバム「The Thing That Knowledge Can’t Eat」について訊いた。

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Vol.131 Steve Stevens / January 2023

Steve Stevens

ビリー・アイドルの最新EP「THE CAGE」がリリースされた。このEPでもビリー・アイドルの長年に渡る盟友、スティーヴ・スティーヴンスが作曲、ギターで大きく貢献している。ロック・ギタリストとしての強力なギターテクニック、抜群の音楽センスを持っていることはもちろん、ビリー・アイドルとの一連の作品やステージ、そして今は亡きスーパースター、マイケル・ジャクソンとの共演 “Dirty Dianna”で放っていたような「華」のある強烈な存在感は健在である。
ビリー・アイドルとのこれまでの作品においては、”Rebel Yell”や”White Wedding(part 1)”などロック・ギター史に刻まれるオリジナリティあふれる印象的なプレイを生み出し、1986年に公開された映画「TOP GUN」の”TOP GUN ANTHEM”で披露した美しくもアグレッシヴでセンス溢れるギタープレイは今でもなお輝きを放っており、動画サイトでは彼のプレイをカヴァーする若い世代のギタリストの姿を数多く観ることができる。スティーヴ・スティーヴンス自身のソロとしてもこれまでにハードロックに基軸を置いた「STEVE STEVENS ATOMIC PLAY BOYS」、フラメンコギターの持つ優美さ、激しさを追求した「FLAMENCO.A.GO.GO」、ロック・ギター・インストゥルメンタルの魅力が詰まった「Memory Crash」を生み出すなど、作曲・アレンジ・プロデュースといったミュージシャンとしての総合力の秀逸さによって幅広い音楽ファンを魅了し続けている。スティーヴ・スティーヴンスにビリー・アイドルの最新EP「THE CAGE」への取組、TOP GUNへ携わった当時のことからTwo NotesからリリースされているDynIR製品「the Steve Stevens Platinum Collection」に至るまで色々と訊いた。

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Vol.130 Jamie West-Oram / November 2022

Jamie West-Oram


Photo by C. Jansen

80年代に世界を席巻した英国ニューウェイヴ・ロックの中でもその独自のスタイル、サウンドにより、玄人好みのディープな音楽ファンから高く評価されていたTHE FIXX。ボーカルのサイ・カーニンが放つキャッチーで憂いを帯びたメロディとU2のエッジやポリスのアンディ・サマーズがそうであるように、ギターのジェイミー・ウエスト・オーラムの楽曲を彩りTHE FIXXの中核となるギターワークで構築された楽曲は、コアな音楽ファンだけではなく幅広い音楽ファンを惹きつけ、1983年に発表したアルバム「Reach the Beach」では当時のビルボードアルバムチャートで8位を獲得、アルバムからリリースされたシングル”One Thing Leads to Another”は Billboard Hot 100 で4位を記録している。2022年にリリースされた最新作「Every Five Seconds」でもTHE FIXXらしいサイ・カーニンの個性的な歌声にジェイミーの多彩なギターサウンドとルパート・グリーンオールによるキーボードサウンドが融合した芸術的で奥深い音楽空間が健在。アルバムに収録されている全曲がとても魅力に溢れ、THE FIXXが創作能力に溢れた現在進行形であることを証明している。バンドサウンドの中核を担うジェイミー・ウエスト・オーラムに彼の個性的なギタースタイルを作り上げた音楽的バックグランドやTHE FIXXとの出会い、そして最新作「Every Five Seconds」について訊いた。

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Vol.129 Supersonic Blues Machine / September 2022

Supersonic Blues Machine


Photo by Enzo Mazzeo

Supersonic Blues Machineは、プロデュース、作曲・アレンジ、ベース、ミックスを一手に担うファブリツィオ・グロッシーとジョン・メレンキャンプ、ジョン・フォガティからジョン・ボン・ジョヴィ、セリーヌ・ディオンに至るまで膨大な数のアーティストの作品に参加している大御所ドラマーのケニー・アロノフ、そして英国出身の才能豊かな熱きブルース・ロック・ギタリスト、シンガーのクリス・バラスによるブルース・ロック・プロジェクトである。彼等の魅力は、その実力から弾き出されるブルージーでドライヴ感に溢れたロックは勿論、彼等のブルース・ロックへの想いに賛同するゲストミュージシャンとの共演もそのひとつであり、これまでにもビリー・ギボンズ、ロベン・フォード、スティーヴ・ルカサーやウォルター・トラウトといった強者達と共演している。2022年6月22日にリリースされた最新作「Voodoo Nation」でもファンの期待に応えるSupersonic Blues Machineらしさ溢れるブルース・ロックが全開であり、サニー・ランドレス、カーク・フレッチャー、エリック・ゲイルズ、ジョー・ルイス・ウォーカー、アナ・ポポヴィッチなど秀逸なギタリスト達を招いた熱いブルース・ロックの共演を聴くことができる。最新作「Voodoo Nation」についてSupersonic Blues Machineの面々に訊いた。

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Vol.128 Jeff "Skunk" Baxter / July 2022

Jeff “Skunk” Baxter

かつてはスティーリー・ダンやドゥービー・ブラザーズでの主要メンバーとしてギターを担い、以降も音楽プロデューサー、作曲家、セッションギタリストとして音楽界に多大な功績をあげいるレジェンドミュージシャン、ジェフ・スカンク・バクスターが自身初となるソロアルバム「Speed Of Heat」をリリースした。この作品は、心にダイレクトに突き刺さるロックフィールに溢れ、かつ繊細な感情を剥き出しにしたリアルなギタープレイによるインストゥルメンタル曲から聴き手の心を深く癒すメロディ、サウンドを持つ曲に至るまで、聴き手がその時々に立っている様々な状況に寄り添える音楽性豊かなものとなっている。また、今作では、作曲・アレンジ・プロデュースといったミュージシャンとしてのジェフ・スカンク・バクスターが持つ音楽的な総合力に、同じくプロデュース、作曲、アレンジ等、作品の全般に渡り相棒を務めたC.J.ヴァンストンの才能が見事に融合し、その結果、各楽曲が持つ良質なメロディ、アレンジ、サウンドは、ギタリストのソロアルバムの域を超えてギター・ファン以外の音楽ファンにも広く受けいられるものになっている。レジェンドギタリスト、ジェフ・スカンク・バクスターに「Speed Of Heat」について訊いた。

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