Philip Bynoe (フィリップ・バイノー) コラム issue #1 Introduction

 
スティーヴ・ヴァイのバンドのベーシストとして数々のアルバムやG3ツアーへの参加、他にもヌーノ・ベッテンコートのPopulation1における日本公演での助っ人ベーシストとして素晴らしいパフォーマンスを披露し注目を集めたフィリップ・バイノー。
当コラムではフィリップによるベース・プレイに関する話から、レコーディングやツアーの話など幅広くお届けしていく。



やあ!スティーヴ・ヴァイのバンドでベースを弾いているフィリップ・バイノーだ!知らない人も多いかもしれないけど、実は23年前から僕は何度も日本の地を踏んでいるんだ。

1991年にヒップホップ系バンドWORLD PREMIERと日本へ行ったのが最初だ。その時は大阪に3ヶ月滞在したんだ。今でも大阪は僕にとって第2の故郷だ。そして1997年、今度はスティーヴ・ヴァイのFIRE GARDENツアーで日本へ戻った。素晴らしい経験だったよ。初めて訪れる土地も多かった上に、大阪にもまた行くことができて、昔の友達にも会ったり、新しい友達もできたり。楽しかったよ。この頃から僕はヤマハのベースを使うようになっていた。

当時も、今も僕はスティーヴとプレイする時はTRB-6弦ベースとBB5000のフレットレスを使っている。FIRE GARDENツアーの時は友人と一緒に作ったベースも使用していた。Hohnerの5弦のヘッドレスベースにキーボード・コントローラーが取り付けてあるものだった。既にシアトリカルだったコンサートに更なる面白味を加えていたと多くの人が驚き、そして楽しんでくれていたよ。

90年代に更に二度日本へ行くことができた。一度はROCK AROUND THE BAYというイベントでザック・ワイルドやMOTLEY CRUEと共演した時。(YouTubeにこの時の映像がアップされている)そしてもう一度は1999年にULTRA ZONEのツアーで来日した時だ。この時もとても楽しい時間を過ごすことができたよ。何度も新幹線に乗って各地で演奏したのを覚えている。

ミレニアム以降も僕は何度も日本に呼び戻された。2003年にはRING OF FIREと来日し、一度きりのツアーで3公演しか行わなかったけど、その時のツアーがDVDとなってリリースされている。RING OF FIREのメンバーはマーク・ボールズ、トニー・マカパイン、ヴァージル・ドナティ、そしてヴィタリー・クープリ。次の来日は2005年にヌーノ・ベッテンコートのツアー(注.2003年にヌーノが行ったPopulation1での日本公演参加のことが述べられている)だった。このツアーは特に楽しかったね。今までに訪れたことがなかった場所も沢山行ったよ。特に広島は美しさと神秘的な雰囲気を兼ね備えた素晴らしい場所だったね。広島で演奏することができて自分は本当に恵まれていると思ったよ。

その2年後に僕は再び君たちの偉大なる国へ戻ることができた。この時はアルバムをリリースしたSLAVIORというバンドと東京で数回コンサートを行った。この頃になると僕は別のTRB-6弦を弾くようになっていた。より大きなサウンドが欲しかったからピックアップを変えたんだ。Alembicのプリアンプとピックアップを取り付けた。強烈に熱いサウンドが出るベースだよ!!

そして2010年には2人の日本人ギタリスト、ISAOと渡辺真樹がフィーチャーされたSPARK 7のツアーに参加した。ドラマーはマイク・マンジーニ、キーボーディストは大高清美が参加した。その後、同じ年に再び来日し渡辺真樹やABINGDON BOYS SCHOOLのメンバーとジャズ・フュージョンを演奏した。

アメリカにいる時は色んなアーティストと仕事をしている。その中には子供向けのバンドも2つあるんだ。ひとつはPB&DEBというバンドだ。メンバーは僕と作曲パートナーのデブ・スナイダー。子供が一緒に歌って楽しんでくれるような音楽を作っている。もうひとつはルーツ・ミュージックを演奏するJAMBOというバンドだ。このバンドではアップライト・ベースを弾いている。他にもSTEVE FISTER BANDというバンドに参加している。このバンドはともかくROCKするためのバンドだ。オリジナルのブルース系ロックや時々カヴァーも演奏している。

既に知っている人もいるかもしれないけど、去年STORY OF LIGHTツアーで僕は再びスティーヴ・ヴァイのバンドに参加している。次の予定はFATES WARNINGのドラマー、マーク・ゾンダー率いるWARLORDというメタル・バンドのツアーに出ることになっている。WARLORDの最新作では僕もベースを弾いているんだ。4月にドイツとギリシャをツアーする予定だ。

そして6月からはまたスティーヴ・ヴァイのSTORY OF LIGHTツアーが再開する。このツアーでまた日本に行って友達に会えるといいな。今度ライヴを観てもらえたら分かるけど、今はまた別のベースを弾いているんだ。今度はMUSIC MAN BONGOの6弦ベースだ。新しいデザインのベースで、音も自分にとっては新しい。ライヴを観たらこの新しいベースのトーンや、スタイル、それにアグレッションに対する感想を是非聞かせてほしいね!ともかく音がデカイから、耳栓を忘れるなよ!!

また会おう!

フィリップ

Philip Bynoe

http://www.philipbynoe.com/

<Philip Bynoe コラム>
issue #1 Introduction
issue #2 Preparation

Translation by Louis Sesto (EAGLETAIL MUSIC)