Vol.67 BLINDMAN / December 2016

BLINDMAN

国内屈指の正統派メロディアス・ハード・ロック・バンド BLINDMAN が通算9枚目となるオリジナル・フル・アルバム「TO THE LIGHT」をリリースする。
ボーカリストとドラマーのメンバーチャンジを経て制作された今作では、新ボーカリスト Rayのパワフルかつダイナミクスある豊かな表現を兼ね備えた歌唱力、若手敏腕ドラマーの實成峻による多彩なリズムワークが、中村達也によるメロディックかつセンス溢れる楽曲・ギターワークと見事に融合した珠玉のハードロック作品となっている。
バンドのリーダーである中村達也と期待の若手敏腕ドラマー 實成峻に新作「TO THE LIGHT」について訊いた。

Interview / Text  Mamoru Moriyama
 

Tatsuya Nakamura

Muse On Muse (以下MM) : 新メンバーを迎えての待望のオリジナル・フル・アルバム「To the Light」がついにリリースされます。前作「BLAZING CRISIS」、リテイクベスト「EVERGREEN」を経て今作に辿り着くまでの道のりをお聞かせ下さい。
Tatsuya Nakamura  (以下TN) : 「EVERGREEN」出して半年位経った頃に前任のボーカル[高谷“アニィ”学]とドラム[ルイス・セスト]が「辞めたい」って言ってきてね。正直驚いたし、簡単に「はい、わかりました」とも言えなくて「活動止めるからちょっと時間置こう」って自分が言ったのね。それで半年ぐらい経ってボーカルに電話してきいたら気持ちは変わってなかったので脱退を受け入れました。もうそれから2年以上経っちゃたね。その後じっくり1年掛けて新しいBLINDMANの形を創ったっていう感じですね。

MM : アルバム制作時においてコンセプトなどはありましたか?
TN : 無いです、というか毎回同じ。「凄くカッコいい曲の沢山入っている作品」それしか考えてないです。

MM : 新メンバーであるRayさんのパワフルかつ表現力豊かな歌声はかなりインパクトがありますが、彼がBLINDMANに参加するまでの経緯についてお聞かせ下さい。
TN : 2014年の8月にたまたま同じセッションイベントに出演していてね、「この人が歌えばBLINDMANを再生できる」って思った。それですぐに声を掛けたのだけどOKでるのに2ヶ月くらい待った、祈るような思いで待っていたよ、ホントに。

MM : 峻さんはCrying Machineでの活動を離れた以降はセッション等で活動をしていましたが、BLINDMANへはどのような経緯で加入することになったのでしょうか?
Shun Minari  (以下SM) : BLINDMANとは度々ご一緒させてもらってたんですけど、2013年に共演してからは暫くお会いする機会もなかったんです。で、昨年春頃に知り合いのライブを観に行った時に、偶然中村さんと再会して。上京した事もあったので、ご挨拶をして。とは言え、そこから一年間はまたお会いする事もなかったんですけど(笑)

MM : その後に動きがあったのですね(笑)
SM : 一年後、突然中村さんから「一ヶ月後にライブが決まってるんだけど、サポートで叩いてもらえないかな?」って連絡があって。スケジュールも空いていましたし、自分としてもそんな光栄な話はないと思ったので快諾したんです。間も無く一度目のリハーサルを終えて、中村さんから「メンバーとしてBLINDMANで叩いてくれないかな」と打診がありました。それまではバンドをやる余裕はなかったんですけど、丁度自分もドラマーとしての動き方をわかってきて、それぞれにかける準備時間を短縮できるようになって。他にもまだできるなと思い始めた時だったんです。BLINDMANなら自分の成長に間違いなく繋がるだろうと思ったので、加入を決めました。

MM : Rayさん、峻さんの加入はBLINDMANの新作にどのように作用しましたか?
TN : 峻が入ったときにはもう楽曲が完成していたので自分らしさを出すことは難しかったと思うけど今までのDsや僕にはない発想は沢山加えてくれた。僕は前作から3つ年を取ったけど音は峻のおかげでちょっと今っぽさが増えていると思う。Rayさんについてはもう「聴いてください!」と言うしかない。新しいBLINDMANの象徴と言って良い存在ですよ。


Shun Minari

MM : アルバム用の曲作りはどのように進められたのでしょうか?
TN : 机の前でイスに座って瞑想するように考える(笑)頭の中に5つのパート全部浮かんだらデモをつくる。それを各メンバーに送ってそれぞれアイデアを瞑想してもらう(笑)

MM : ちなみに日頃から曲に対するアイデアのストックなどはしているのでしょうか?
TN : ストックしません。もうギターを弾いていて偶然良いアイデアがでるなんてことは自分にはおきません。創り始めたらその曲はエンディングまで完成させる。DAW使ってね。

MM : 作った曲を他のメンバーに聞かせるためのデモの内容はどのレベルまで仕上げていますか?
TN : 他の人を知らないのではっきりとは言えませんが、多分「こいつ何を考えているんだ」っていうぐらい完成形に近いと思う。

MM : 峻さんは新作に取り組む上で、これまでのBLINDMANの作品における歴代のドラマー達のプレイをあらためてチェックするようなことはありましたか?
SM : ん~、普段から聴いていましたからね(笑)ライブで演奏する歴代の曲を仕上げるにあたって、勿論何度も聴き返していました。

MM : 新作ではドラマーとしてどのようにアプローチすることを心掛けましたか?
SM : 最初は「バンドの歴史を崩してはならない」という想いが強くあったんです。それこそ歴代の先輩たちはバリバリのロックドラマーでしたので(笑)でも、中村さんが「まずは峻の思うようにやっていいよ」と言ってくれたので、まずはここ最近の自分そのままで叩いて。ただアレンジは固まっていたので、そこから擦り合わせていったという感じですね。

MM : 美しさが光る感動的なナンバー “Blue Butterfly”では曲の冒頭から印象的なドラムで始まります。
SM : とにかく苦労しました(笑)ドラムセットというよりはスネアはスネア、シンバルはシンバル、とそれぞれの楽器がそれぞれの働きをしている感じ。細かなフレーズで変化を付けたり、アクセントにしたり。どんなに速い曲よりもこういう曲の方が難しいと感じるようになった事が、成長したなあと(笑)

MM : “A Pain In The Neck”ではキーボードの松井さんとの掛け合いが印象的でDeep Purpleを彷彿させますが・・。
TN : 彷彿どこじゃないですよね(笑)完全にそれ狙い、リスペクトです。新しいBLINDMANの型が出来たって思っているからこそこういう曲が出来るって思っています。

MM : アルバムに収録されている各曲について解説をお願いします。
TN :
“Rising Sun”
1曲目はいつもアルバムの中で1番のパワーがある曲を選んでいる。今回は全く迷い無し、これしかない。 BLINDMANとしては凄く激しい曲だけど、らしさはちゃんと出ている。

“Why You Cry”
自分の大好きな遅めのミディアムテンポ。最初はRayさんが「keyが低すぎる」って言っていたんだけど「とりあえずこのまま歌ってみて」って。やってみたら凄く良い感じになった。

“In The Sleepless Night”
久しぶりにシンセサイザーを派手に使ってみました、っていう曲。個人的にはシンセよりオルガンが好きなんだけど、たまには良いかな、と。

“Midnight Lover”
1番ストレートな曲だね。自分はちょっとひとひねりするのが好きだけど、あえてこれは凄く真っ直ぐな感じで。

“Angels Cry”
所謂バラードですね。エレピの音色がレトロで好き。

“To The Light”
これが1番BLINDMANらしいかな。力強さ、悲しさ、重さ、みんなある。

“A Pain In The Neck”
さっき言ったとおりです(笑)

“Blue Butterfly”
自分的には「超傑作」です。先入観無しで聴いて欲しいのでそれしか言いません。

“Life Goes On”
13年くらい前に書いた曲です。今の自分からは出てこないタイプの曲なので面白いかなって思って入れました。

MM : 今作ではどのようなギターサウンドを目指しましたか?
TN : 「良い曲に聴こえる音」です。Gibson Les Paul Custom、Marshall JCM800 2203、tc electronic Spark Booster、これだけです。

MM : ドラムの音作りといった部分では如何でしたか?
SM : 割とバラエティに富んだ楽曲群ではあるのですが、オムニバスな雰囲気にするのはあまり好きではないので、曲によって何かを替えたりはしていないです。自然とハードロック然としたサウンドになったと思います。

MM : BLINDMANの今後の活動予定について教えて下さい。
TN : とりあえず出来るだけライヴをやりたい。暫く瞑想はお休みにしたいので。まだ今の段階でははっきりしたスケジュールは言えないのですがツアーにも行くと思います。

MM : ファンの人達へメッセージをお願いします。
TN : とりあえず聴いてみてください。すべてはそこからなので。
SM : 2年振りに戻ってきました。ライブを観て、CDを聴いて、この2年間の意味を何か感じてもらえればと思います。

BLINDMAN official site : http://www.blindman.jp/
BLINDMAN facebook : https://www.facebook.com/blindman.2012
BLINDMAN twitter : https://twitter.com/BLINDMAN_JP/


TO THE LIGHT / BLINDMAN
Walküre Records WLKR-023 価格¥3,000+税 2016年12月21日リリース

1.Rising Sun
2.Why You Cry
3.In the Sleepless Night
4.Midnight Lover
5.Angels Cry
6.To the Light
7.A Pain in the Neck
8.Blue Butterfly
9.Life Goes On


L to R : Hiroki Matsui: Key, Ray: vo, Shun Minari: Drs, Tatsuya Nakamura: Gt, Tatsuya Toda: Ba

BLINDMAN
Vo.Ray
Gt.中村達也(Tatsuya Nakamura)
Ba.戸田達也(Tatsuya Toda)
Key.松井博樹(Hiroki Matsui)
Drs.實成峻(Shun Minari)

1995年に中村達也(G)を中心に結成された日本の正統派メロディアス・ハード・ロック・バンド。 1998年に1stアルバムをリリース。 2001年にメジャーデビューし、2枚のアルバムとベスト盤をリリース。 2002年に一旦活動を休止するが、2004年活動再開し5枚のアルバム、リレコーディングアルバムをリリース。そして2016年12月21日、メンバーチェンジを経ての待望の最新作「To the Light」をWalkure Recordsよりリリースする。