カテゴリー: FEATURES

Vol.127 Guthrie Govan / June 2022

Guthrie Govan


Photo by Cian O’Sullivan

ロック・フュージョンのパワートリオ、The Aristocrats(ギタリスト Guthrie Govan、ベーシスト Bryan Beller、ドラマー Marco Minnemann)とポーランドのオーケストラ Primuz Chamber Orchestraとの共作「The Aristocrats With Primuz Chamber Orchestra」がリリースされた。プロジェクトは、作曲・編曲家であるWojtek Lemańskiによるオーケストラアレンジで再構築されたThe Aristocratsの楽曲 “Culture Clash” をポーランドのPrimuz Chamber Orchestraが演奏している動画をバンドがYouTubeで偶然に目にしたことから始まった。作品は、オーケストラとTHE ARISTOCRATSの融合が見事にマッチし、それぞれの楽曲がオリジナルに加えてよりダイナミックとなり、更に臨場感のある出来栄えとなったことで聴くものを良い意味で驚かし、深く聴きこませる内容となっている。作品の全容についてガスリー・ゴーヴァンに訊いた。

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Vol.126 Keith Scott / May 2022

Keith Scott

長年に渡り、ブライアン・アダムスの数々の作品やライヴにおいて、ロックスピリット溢れるギターでブライアンを支え続けてきたキース・スコット。誰もが耳にしたことがあるであろうブライアンの数多くのヒット曲では、必ずキースの歌心溢れるメロディックなギターを聴くことができる。ファンの期待を決して裏切らないブライアン・アダムスが作り出したロックスピリットに溢れた最新作「So Happy It Hurts」では、ブライアン自身がほとんどの楽器パートをこなす中、作品の要所の曲では、しっかりとキースのギターが彩られている。アルバムのブックレットのクレジットには、キースは5曲に参加(リズムギター1曲、リードギター4曲)とあるが、キースからの情報によるとリズムギターにクレジットされているタイトル曲”So Happy It Hurts”は、全てブライアンがギターを弾いているとのことであり、キース自身は、4曲でリードギターを担ったようだ。ブライアンの新作への参加やキースがサーフミュージックに取り組んだプロジェクトFONTANASの状況について訊いた。

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Vol.125 Simon Phillips / March 2022

Simon Phillips


Photo ©Stephanie Cabral

ジェフ・ベック、マイケル・シェンカー、ザ・フー等との共演やTOTOでの活躍など、そのキャリアはロック・ドラマーとして最高峰の一人であるサイモン・フィリップス。ドラマーとしては既に達観の域にあるサイモンがドラムプレイのみではなく、音楽の創造主としてそのクリエイティヴな才能、情熱を一心に注いでいるProtocolが5作目となる作品「Protocol V」をリリースした。
メンバーは、サイモン・フィリップス(ドラム)、アレックス・シル (ギター)、ジェイコブ・セスニー(サックス)、オトマロ・ルイーズ(キーボード)、アーネスト・ティブス(ベース)。今作においても美しくドラマチックな曲からハード・フュージョンな曲に至るまで、各プレーヤーが持ち回りのパートで独自の色彩を与えており、Protocolファンの期待に応える音楽的な魅力に溢れた作品となっている。
また、アンディ・ティモンズ、グレッグ・ハウといったギターの匠からバトンを引き継いだアレックス・シルのクレバーかつスリリングな前任の2人とはまた違ったギター・プレイにも注目。新たなProtocolの魅力を引き出すことに見事に成功している。新作「Protocol V」についてサイモン・フィリップスに訊いた。

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Vol.124 Robben Ford / January 2022

Robben Ford


Photo by Mascha Photography

絶妙なダイナミクスによる表現、洗練されたお洒落なギタープレイ、楽曲でコアな音楽ファン、ギタリストから支持を受けている匠なギタリスト、Robben Ford(ロベン・フォード)。最新作「Pure」は、「Tiger Walk」以来となる全曲がインストゥルメンタル曲で構成されたアルバムとなっている。今作ではコロナ禍により、共同プロデューサであるCasey Wasner(ケイシー・ワズナー)とロベンとで制作したトラックに後からドラマー、ベーシストにドラム、ベースを入れてもらうというロベンの作品においてはこれまでと異なるレコーディング手法が採用されている。(その手法により)「音楽を完全にコントロールすることができたし、このアルバムではそれがとても重要だったんだ。」とロベンが語っているように、今作では統制された中での色彩豊かな楽曲、ギターが聴き手を魅了する。最新作「Pure」についてロベンに訊いた。

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Vol.123 Dom Brown / July 2021

Dom Brown


Photo by Andy Ciparis

英国にてギタリスト/作曲家/プロデューサーとして活動しているドム・ブラウン。セッションミュージシャンとしてもデュラン・デュランのライヴやレコーディングに参加している。デュラン・デュランでは、この16年間で4回のワールドツアーに参加し、3枚のアルバムをレコーディング、アルバム「All You Need Is Now」(2011年)と「Paper Gods」(2015年)では20曲以上を共同作曲している。そのように才能溢れるドムがニュー・ソロ・アルバム「IN MY BONES」をリリースした。この作品ではギタリストとしてのドムの素晴らしさは勿論、プロデューサー、作曲家・編曲家、マルチプレイヤーも手掛けるなどミュージシャンとしての総合力が存分に発揮されている。作品に収録されたどの楽曲も完成度が高く、幅広い音楽ファンに受け入れられる魅力的なものとなっている。ドム・ブラウンに彼の音楽的背景やニュー・ソロ・アルバム「IN MY BONES」について語って貰った。

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Vol.122 Jeff Kollman / June 2021

Jeff Kollman

ジェフ・コールマンがニューアルバム「East Of Heaven」をリリースした。全曲がインストゥルメンタル曲で構成されたこの作品は、巷に溢れるロック・ギター・インストゥルメンタル音楽とは異なり、映画のシーンが流れていくような時間の経過、情景の変化を聴き手にイマジネーションさせる深みのある音楽作品となっている。それら楽曲を彩るアコースティックギターの美しく豊かな響き、ドライヴしたエレクトリックギターとエフェクトによる幻想的なサウンド、そしてジェフのダイナミクスに富むギタープレイも素晴らしく、聴き手の心にダイレクトに響いてくる。ジェフ・コールマンにニューアルバム「East Of Heaven」について訊いた。

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Vol.121 Carl Verheyen / May 2021

Carl Verheyen

英国ロック・グループ SUPERTRAMPでの活動や数多くの有名アーティストのアルバム、そして映画・TVドラマ等のサントラへの参加などLAのスタジオシーンで活躍中のギタリスト Carl Verheyen (カール・ヴァーヘイエン)がニュー・アルバム「Sundial」をリリース。今作は、ロック/ファンク/スカ/ソウルフルなバラード、アフロポップなどの多様な音楽に取り組んだ意欲作。癒しと高揚感のあるタイトル曲 “Sundial” に始まり、アフロポップにインスパイアされた”Kaningie”、アート・ガーファンクルとの信じられない出会いについての記憶を歌にした”Garfunkel (it Was All Too Real)”、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアに捧げられた曲“Spiral Glide”などの良質な楽曲とともに、カールの味わい深い歌声、ダイナミクスに富んだ巧みなギタープレイ・サウンドが聴き手を魅了する大人で上品なロック・アルバムとなっている。最新作「Sundial」についてカールに語ってもらった。

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Vol.120 Corrado Rustici / April 2021

Corrado Rustici

70年代のイタリアン・プログレバンド Cervello、そしてジャズロックグループのNovaの活躍などで伝説的な存在であるギタリスト、プロデューサーのCorrado Rustici (コラード・ルスティーチ) が、インストゥルメンタル・ソロ・アルバム「Interfulgent」をリリースした。コラードは、70年代のプログレバンドCervelloやジャズロックグループNovaでの活動によりプログレ界で伝説的な存在であるとともに、これまでにフィル・コリンズ、アラン・ホールズワース、ハービー・ハンコック、マイルス・デイヴィスなどと共演するなど、40年に及ぶ輝かしいキャリアの中でイタリアで最も成功したプロデューサーの一人でもある。コラード・ルスティーチに最新アルバム「Interfulgent」について語ってもらった。

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Vol.119 Steve Lukather / March 2021

Steve Lukather


Photo by Alex Solca

スティーヴ・ルカサーがファン待望のソロ・アルバム「I Found The Sun Again」をリリースした。ルークと同時にジェセフ・ウィリアムスもソロ・アルバム「Denizen Tenant」をリリースしており、お互いが各々のアルバムに参加するとともに、そこにはデヴィッド・ペイチも合流している。そのような背景もあり、ルークとジョセフのソロ・アルバムの形式とはなっているものの新生TOTOとしての新たな作品が提示されている・・とも受け止められる。今回のルークの作品「I Found The Sun Again」では、ドラムにグレッグ・ビソネット、キーボードにジェフ・バブコ、そしてベースにはヨルゲン・カールソンやジョン・ピアースといったルークと気心の知れたメンバーとともにリアルなミュージシャンによる圧倒的に素晴らしい音楽が展開されており、聴き手を魅了する。またリンゴ・スターがゲスト参加している”Run To Me”でも聴くことができるような親しみやすくメロディックな曲も収録されており、プレーヤー志向の人達からロック・ポップスを楽しむリスナー層に至るまで幅広い人達に受け入れられるであろう作品となっている。最新作「I Found The Sun Again」についてルークさんに訊いた。

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Vol.118 Stevie Salas / February 2021

Stevie Salas


Photo by Framus

B’zの稲葉浩志とのプロジェクト INABA/SALAS により日本の音楽ファンの間にも広く知られているスティーヴィー・サラスの書籍「スティーヴィー・サラス自伝 ギター弾きの最低で最高な人生」(リットーミュージック刊) が発売された。この本は、米国で2014年に出版されている「When We Were the Boys: Coming of Age on Rod Stewart’s Out of Order Tour」が和訳されたものであり、オーディションからツアーといったロッド・スチュワートとの活動時代についてスティーヴィー・サラスが詳細を語っており、サラスのファンにとってはもちろん、ロッド・スチュワートやロックファンにとっても興味深い内容となっている。
発売された書籍「スティーヴィー・サラス自伝 ギター弾きの最低で最高な人生」についてはもちろん、普段における曲作りのこと、日本国内にも素晴らしい楽曲を持つ優れたミュージシャン達がいるにも関わらず、ロックミュージックにおいては世界中の音楽ファンに知られる存在はまだ出てきていないように見受けられる状況についてどう感じるか・・など、スティヴィー・サラスに訊いた。

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