Stevie Salas (スティーヴィー・サラス) コラム issue #4 NAMM 2016

素晴らしい楽器が山のように展示してあるNAMMに行くのは、他のミュージシャンと同様、俺にとってもガキの頃からの夢だった。最初にNAMMに行ったのは19歳ぐらいの時。会場で、ジェイ・セッサムって人が作ったクールなペダルボードを買ったんだけど、その日以来ゾッコンさ。

その後、毎年1月になると、NAMMの会場内に忍び込む方法をあれこれと考えたもんだ。かつては、簡単に中に入ることができた。ツレの誰かが中に入れたら、そいつにどこかで余っている他人の入館パスを取ってきてもらって入場する、っていう方法でね。取ってきたパスを平然と首からぶら下げて、楽器のパラダイスに入っていくわけだ。

それが今じゃこの俺もNAMMの常連。メーカーが俺にわざわざ金を払ってまでその場にいてくれっていうんだからな。でも、これ以上忍び込むのはNGだ!今はパスポートか免許証を見せないと入れないようになっている。でも、一度中に入ってしまえば、そこはホントに楽器の楽園なんだぜ。

今年のNAMM は、俺のシグネイチャーモデルのラインアップが出展されたので、個人的にも忙しいイベントになった。フラマスから出ている俺のギター『Idol Maker』は2014年に発表されて以来、NAMMでも大好評なんだ。

加えて、今回、イタリアのLAA Customっていうメーカーが俺に新しいオーバードライブ・ペダルを作ってくれてね。『The Nishi Drive』っていうんだけど、そいつが初めて発表されたんだ。(ちなみにLAA Customは俺用に極上のカスタムギターアンプを製作してくれている。)

NAMMが始まったのは1月21日の木曜日。この日、俺はかなり早い時間から会場にいたんだけど、いつも通り、まず向かった先は、親友でジム・ダンロップの社長のジム・ダンロップ本人のところだ。彼のブースとフラマス・ワーウィックのブースは超クールなハングアウト・スポットでさ。ラッキーだったら、ロックスターが集まるブース裏のプライベートルームに入ってみてごらん。

その日の午後、いくつかインタビューをこなした後で、14時頃に長年の音楽パートナーであるバーナード・ファウラーからメールが入った。「ローリング・ストーンズとリハをやるから来い」っていうんだ。なぜ俺が呼ばれたのかって?実は今、俺はREV33 True Soundっていうナイスなカンパニーと仕事をしていてね。小型イヤホンやヘッドホン、インイヤーモニターから音の歪みを除去する小さなデバイスを共同で開発中なんだ。音の歪みは聴力の低下を引き起こしたり、耳にダメージを与えたりする。そういったノイズを除去するのはとても重要なことで、これを解決してくれるのが『REV33』なんだ。今では、友達のスティーブン・タイラーやエアロスミス、マット・ソーラム、フィルX、レニー・クラヴィッツ・バンドのシンディー・ブラックマン、それに勿論バーナード自身も愛用している。

今回ストーンズとのリハの最中に、ミック・ジャガーからバーナードに「REV33を使ってみたい」と依頼があったらしい。そんな経緯で、俺もNAMMの会場を後にして、彼らのリハが行われているLAのシークレット・スポットに向かったってわけだ。

結局その週末は、インタビューを受けたり、フラマス、ダンロップ、LAA Custom、REV33の仲間達とハングアウトしたりして過ごした。ロバート・トゥルージロ、アマン・サバル・レッコ、チャーリー・セクストン、デヴィン・タウンゼント、フィルX、ビリー・ダフィー、ジョナス・エルボーグや、そこにいた大勢といつも通り皆でワイワイやっていた。

今回のNAMMでも素晴らしいギアを色々見たけど、特にJodi Head、Get’m Get’m、そしてMoody Strapsっていうメーカーが作っているストラップは最高にクールだったね。個人的にもゲットしたんだけど、どれもかなりイケてるんだ。

NAMM最終日は、お金があれば、会場に展示されている一部の楽器を安く買えることで知られている。メーカーも展示品を梱包してまた自社に送り返すのが手間なので、その場で売却しちゃった方がラクなんだろうね。俺も中国の楽器メーカーがワーウィックのコピーとして作ったイカしたミニベースを息子のシェーン用にゲットしたよ。シェーンはもうすぐ8歳になる。

家に帰ってきたのは昨晩遅くのことだ。朝起きたらシェーンも俺が帰ってきたので嬉しそうだった。しかも、自分用の新しいミニベースと一緒にね!

こうして今年のNAMM も幕を閉じた。いつもながらチョー疲れたけど、やっぱりNAMMは最高だったよ!

レリック仕上げのIdol Makerをフィーチャーした巨大ポスター

俺、デヴィン・タウンゼント、ワーウィック社オーナーのハンス・ピーター・ウィルファーの娘、エステル。一緒にクローム仕上げのIdol Makerを楽しんでいるところ

今回、NAMMの為だけに用意した2つのギター。コリーナ製Idol Makerと、新しいフラマス・パンテラ2。コイツはマーカス・スパングラー(フラマス社)とフィルXと俺がフラマスのカスタムショップでデザインしたんだ。見よ!この美しいトップ!

NAMMの会場では誰に行き当たるかわからない。チャーリー・セクストンとチェ・ズロ、スティーヴィー・ワンダー。そして俺自身がフィーチャーされているNAMMの雑誌広告

俺の新しいオーバードライブ・ペダル『Nishi Drive』。マジでサイコ-!

息子のシェーンと彼の新しいミニベース!

 
スティーヴィー・サラス

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Translation by Yuichiro Chikamochi