Vol.110 Bill Champlin / June 2020

Bill Champlin

CHICAGOの元メンバーであり、アース・ウインド&ファイアー「After The Love Has Gone」やジョージ・ベンソン「Turn Your Love Around」への楽曲提供などによるグラミー受賞も果たしているレジェンド・ミュージシャンのビル・チャンプリン、そしてTOTOのボーカリストであるジョセフ・ウィリアムス、スウェーデンでプロデューサー / ギタリストとして活動しているピーター・フリーステットによるプロジェクト CWFが2作目となるスタジオ・アルバム「CWF2」をリリースした。元シカゴのビルとTOTOのジョセフが組むことで必然的にメロディックでお洒落な音楽に期待を抱くファンが多いと思われるが、今作でもそれらファンの期待に完璧に応える珠玉のメロディ、ビルとジョセフによる爽やかで哀愁を帯びたボーカル、そして曲の魅力を最大限に惹き立てるピーターの的を得たクレバーなギターワークが展開されている。ビル・チャンプリンに新作「CWF2」について語って貰った。

Interview / Text  Mamoru Moriyama
Translation         Hiroshi Takakura

Muse On Muse (以下MM) : 前作に続き、新作「CW2」でもファンの期待に応える良質なメロディ、洗練された都会的なサウンドを持つ見事なAOR作品となっています。
Bill Champlin (以下BC) : ピーター・フリーステットとは複数のプロジェクトにおいて何年も一緒に仕事をしてきたんだ。彼はいわゆる西海岸サウンドの大ファンだから、CWFの曲の多くはメロディアスな要素を持っている。ヴォーカルのレコーディングは長い時間をかけて取り組んだよ。こういったジャンルの曲に対するヴォーカルのアレンジは凄く楽しかった。

MM : CHICAGOでボーカルを担っていたあなた、そしてTOTOのボーカルであるジョセフが組むということは、必然的にCHICAGOやTOTOを彷彿させる音楽をあなた達に求めるファンも多いかと思います。その一方でミュージシャンとしては、常に前進し音楽的なチャレンジをしたい気持ちもあるかと思いますが、それらバランスをどのように保っているのでしょうか?
BC : 君が思っているよりずっと簡単だったよ。ジョーと僕は今までずっとやってきたように、シンプルに歌ってアレンジを施しただけだよ。僕達はそれぞれバッキング・ヴォーカリストとしての経験が長いから、歌のアイデアを出して、それを曲にする、それがCWFの曲として採用された。方向性はピーターが決めるから、それに従うだけだ。

MM : 昨今では多くのミュージシャンがネットを介したファイルのやり取りで曲作りを進めていますが、CWFの場合はどうなのでしょうか?
BC : 僕は同じ部屋に集まって作業するスタイルのほうが好きだね。ヴォーカルに関しては主にピーターがスウェーデンからLAに来た時に作業したんだけど、もちろんファイルのやり取りは頻繁に行われたよ。ただ僕がソロの曲をやる時は、オールドスクールなやり方だとは思うけど、なるべく現場での作業を中心にやるんだ。

MM : 今作には、「WILLIAMS FRIESTEDT」から”Sometimes You Win”、前作「CWF」からの”All That I Want”、そしてシカゴの”Look Away”といった曲が収録されています。新曲に加え、これら既存の曲も再び取り上げた理由をお聞かせ下さい。?
BC : それに関しては、ピーターがアルバムという作品のピースを完成させる為にプロデューサーとしての手腕を発揮したって事だね。”Look Away”については、僕がアレンジをしているライヴバージョンだ。ギターも弾いている。

MM : アルバムはメロディックなロック曲 “Runaway Dancer”で始まります。
BC : “Runaway Dancer” はピーターが書いた曲に僕とタマラ(・チャンプリン)がヴォーカルを乗せたものだ。曲自体に関してはピーターに聞いて欲しいな。

MM : ピーターは、曲のサポートに徹し、控え目ながらも曲の魅力を最大限引き出す能力に長けたギタリストに見受けられます。
BC : ピーターは作曲家としてもミュージシャンとしても凄く優秀なんだ。多くのソングライター達はマシンガンのように早いスタイルの曲を作るんだけど、ピーターはシュレッド・スタイルに頼ることなくメロディアスな曲を作り上げる事ができる。

MM : “Love In The World”にはマイケル・マクドナルドが参加していますが、この曲について教えて下さい。
BC : CWFのキーボードを担当しているステファン・ガナーソンは最高の奏者であり作曲家でありシンガーなんだ。タマラが書いた歌詞がステファンが作ったコーラスに完全にフィットして、ステファン、ピーター、タマラと僕の全員がその曲を大好きになった。マイケルもその曲を気に入ってヴォーカルを乗せてくれる事になったんだ。彼は世界一の歌い手の一人で、1978年にマイケル、僕とボビー・キンボールの3人で一緒にバッキング・ヴォーカルをやった時から彼のことを知っているよ。彼のヴォーカルは凄くソウルフルで彼オリジナルのもので、僕は彼の大ファンなんだ。マイケルの妻エイミーも僕の妻タマラと共にこの曲で歌っているから、この曲はファミリービジネスだね。全員が素晴らしいシンガーさ。

MM : “Between The Lines”は、シカゴを感じさせる美しいナンバーです。
BC : この曲はだいぶ前にマイケル・カールソと僕の息子のウィルとで作った曲で、デモの状態ではあまり良いプロダクションではなかったんだけど、ラース・グデムのホーンのアレンジがChicago的な要素を与えたと思う。ラースは、僕とKORKオーケストラ(ノルウェー放送管弦楽団)が2010年にノルウェーでコンサートをした時にアレンジと指揮者を担当してくれた人物で、最高のミュージシャンの一人だね。マイケル・カールソは長年タマラと曲を制作している素晴らしいソングライターだ。正しい日付は覚えていないんだけど2008年か2009年に出した僕のソロアルバム(注: 2008年)に収録されている ”No Place Left to Fall” は彼と共同で書いた曲だね。

MM : “Price Of Love”ではあなたの妻 Tamaraさんがボーカルを担い、作品を通した流れの中で素敵なアクセントとなっています。
BC : この曲はタマラがジャック・ポンティとヴィック・ペペとで書いた曲で、かなり前にリリースされたBaton Rougeのアルバムに収録されている。ピーターはこの曲が大好きだから、CWFのリテイクとしてレコーディングできないかって話になったんだ。タマラと僕はここLAでほとんどのヴォーカルを録り終えた。この曲で一番気に入っているのは偉大なるベーシストであるジョージ・ホーキンスJrが参加してくれたって事だね。ジョージとは何度も一緒に仕事をしてきた仲で、この曲のベースは数年前に弾いてくれて、残念な事に昨年亡くなってしまった。今でもベースについて考える時はジョージの事をいつも思い出し、とても懐かしい気持ちになる。

MM : あなたは常に進化し、素晴らしい音楽を創造し続けています。常にクリエイティヴであり続けるために心掛けていることなどありますか?
BC : 僕は長年にわたって曲を書くっていう創作を続けているんだ。毎日作り続ければその創作がアートに変わるチャンスが増えて、時には魔法のように曲が出来るっていうエキサイティングな出来事も起こりえるんだ。創作に対して練習を重ねれば重ねるほどアートにまで昇華されやすい。僕にとっての創作とは、作曲や歌う事、演奏やアレンジ、プロデュースを含めた「音楽」であって全ての要素が一つのピースに合わさって作品ができる。ジョセフ・ウィリアムスと・ピーター・フリーステットも僕と同じ目線で物事を捉えているよ。

MM : ファンへのメッセージをお願いします。
BC : 日本のファンのみなさん、CWF2のアルバムをエンジョイして下さい。そして、僕達が活動してる他のプロジェクトもぜひチェックしてみて欲しい。僕とジョセフが制作しているそれぞれのソロアルバムも気に入って貰えると思うよ。日本のオーディエンスは大好きだから早くみなさんに会いたいね。日本でライブができるって風の便りを聞いているよ。あくまでも噂だけどね。安全に、健康に気を付けながらも型破りでいきましょう!

Bill Champlin official site  https://www.billchamplin.com/


Champlin Williams Friestedt / CWF2

01.Runaway Dancer
02.10 Miles
03.Love In The World
04.Amanda’s Disguise
05.Between The Lines
06.Look Away
07.All That I Want
08.Restless Love
09.Price Of Love
10.Sometimes You Win

– BONUS TRACKS FOR JAPAN ONLY –
LOVE IN THE WORLD (ALBUM VERSION)
LETTER TO GOD (UNPLUGGED)
ARIA (RADIO EDIT)