投稿者: MUSE ON MUSE

Thomas Lang (トーマス・ラング) 来日インタビュー

Text and Translation by Louis Sesto (Eagletail Music)

 
来日特集の第二弾はトーマス・ラング氏のインタビューです。今回のツアーやSPARK7、更には彼の超絶ドラミングの秘訣についても訊いてみました!
 

ルイス・セスト(以下Louis):今回のSPARK7とのツアーはどうだった?
トーマス・ラング (以下TL) : 素晴らしいツアーだったね。今までのSPARK7の楽曲を演奏するのも楽しかったけど、特に新しい楽曲は演奏していて楽しかった。ライヴではバランスのいい内容で面白いドラミングを取り入れるスペースも十分にあって叩きがいもあった。それと、ツアー全体の仕切りやマネージメントもしっかりしていて楽しくツアーを回ることができたね。過去のSPARK7ツアーで行ったことのあったライヴハウスにまた行くことができたのも嬉しかったし、日本の美味しい食べ物も楽しむことができた。ツアー・スタッフやマネージメントの人たちも一緒にいて居心地が良かったし素晴らしい経験を沢山できてともかく楽しかった。

Louis : SPARK7のレコーディングも行ったみたいだけど、新作はどのような作品に仕上がりそう?
TL : 個人的な意見になるけど、新作の方が以前の楽曲よりも若干ヘヴィになっているね。新作ではギタリストのISAOが8弦ギターを使っているのも大きな理由のひとつだ。作曲自体も8弦を使って行われていることもあり、全体的な作品の仕上がりもよりヘヴィかつ太いサウンドのものを想定して作られている。でも、そのヘヴィなサウンドの中にもメロディアスな部分も多く、曲自体は非常にキャッチーな作りになっている。プログレッシヴでヘヴィなインストゥルメンタル・アルバムとしては絶妙のコンビネーションだと思うね。甘くて酸っぱい、暗いのに明るい・・・陰と陽があるような完璧なコンビネーションを持った作品になりそうな感じだ。ドラム・パートもとても面白いし、難易度も高い。個人的にもレコーディングはとても楽しかった。最終的な仕上がりを早く聴きたくてウズウズしているところだ。

Louis : 来日中は数多くの日本人ミュージシャンと共演していたけど、特に印象に残る日本人ミュージシャンはいた?
TL : 今回のツアーで沢山の優れたミュージシャンと共演することができたのは非常に幸運なことだと思っている。SPARK7のライヴに参加した様々なゲスト・ギタリストも素晴らしいプレイヤーばかりだった。どのギタリストも驚くようなテクニックを持っていたし、個性もあり、独自のサウンドを持っていた。SPARK7のライヴで毎晩のように色々な異なるタイプのギタリストとステージを共にするのも非常に良い経験だったよ。毎晩繰り広げられるISAOとゲスト・ギタリストたちとのギター・バトルは爆発的なエネルギーに満ちていたよ。中でも個人的にはToshi Hiketaとプレイできたのが非常に楽しかったね。僕は日本語が喋れないので、他のゲスト・ギタリストとあまり話をすることはできなかったが、Toshiは英語が堪能なので彼とは個人的なレベルで話をすることもできた。彼がゲストとして参加してくれたことは自分にとってもツアーの中で特別な時間だったよ。Toshiは素晴らしい経験の持ち主でもあるし、その卓越したギター・テクニックは勿論のこと、ステージ上での存在感も素晴らしかった。そのおかげもあって、彼が出演してくれた大阪公演はもの凄いエネルギーに満ちたショウだったね。

Louis : 一番好きなSPARK7の楽曲は?
TL : SPARK7の新曲はどれも叩いていて楽しいよ。中でも”Cricket Chorus”と”Tri-Star”がお気に入りだ。この2曲はとても新鮮で、自分の曲作りのコンセプトやアプローチにも非常に近いところもあるんだ。まるで自分が書いたかのような錯覚に陥るよ!新曲を聴いているとISAOのアイディアやインスピレーションも理解できるし、彼の作曲や演奏のスタイルにも親しみを感じることができるんだ。SPARK7の楽曲は非常にモダンでレベルが高い。良く書かれているし、面白いフレーズやヒネリがありながら決して大げさでもなく、必要以上の複雑さが無い。全てがちょうどいい!ヘヴィさとメロディアスさのバランスも良いし、複雑な要素と親しみやすいシンプルさのバランスも良い。そいう音楽をプレイするは大好きだよ!

Louis : ツアーやレコーディングでのパフォーマンスが素晴らしかったね。正確なタイム感と良いグルーヴをキープしながら複雑かつ派手なフィルを叩ける秘訣は何?
TL : ありがとう。どんなに楽曲が複雑でも自分は常にリズムキープとグルーヴに集中するようにしている。曲のフィーリングやひとつひとつの音符を置く位置に対して100%の集中力を使うようにしている。演奏している間は常にタイム感やグルーヴの細かいニュアンスまで細心の注意を払うようにする。派手なフィルや複雑なリズム・パターンを演奏するのはその次に来ることだ。リズムやグルーヴをキープするためには正確なプレイとそれに対する正しい考え方と姿勢が重要だ。言葉を使って聞き手に物語を伝えるのと同じだ。全ての言葉を明確に分かりやすく伝えないといけない。全ての文章を正しく発音しなければならない。そうしないと聞き手は話の内容を理解できない。この同じコンセプトを僕は自分のプレイに取り入れている。僕は自分のプレイをリスナーの耳に正確に伝えたいと思っている。オーディエンスが僕の音についていけるように分かりやすく明確に伝えたいのさ。だからこそ、プレイの正確さが重要になる訳だ。特に音楽そのものが複雑な構成になればなるほど、正確なタイミングやフィーリングを意識するようにしている。どんなに複雑になっても、リスナーにはその音についていってもらいたいと思っている。そして、その音を理解して楽しんでほしい訳だ。自分の場合は楽曲を忠実に表現することを念頭に複雑なドラム・フレーズも上品に演奏したいという気持ちがドラマーとしてのエゴを上回っているんだ。ド派手にドラムを叩きたい訳じゃないんだ。素晴らしいフィーリングとタイトなリズム、そしてダイナミクスを使って楽曲をできる限り上品かつレベルの高い形で表現したいだけなんだ。

Louis : 一番影響を受けたドラマーは誰?
TL : ある特定のドラマー1人から影響を受けた訳じゃない。様々なプレイヤーからインスピレーションや影響を受けているよ。若い頃に影響を受けたのはバディ・リッチやイアン・ペイス、ビリー・コブハム、そしてリンゴ・スターだ。その後はスチュアート・コープランド、スティーヴ・ガッド、ヴィニー・カリウタ、テリー・ボジオ、デイヴ・ウェッケル、トニー・ウィリアムス、チャド・ワッカーマン、ジョン・ハイズマン等のプレイを研究しながらテクニックを吸収していった。ジョン・ボーナムは勿論、ピーター・アースキンやマックス・ローチも大好きだった。様々な音楽ジャンルやスタイルから学ぶことを心がけたよ。1人のドラマーから影響を受けたというよりも、様々なスタイルから影響を受ける形を好んでいたよ。

Louis : 最近iPodやiTunesで最も再生回数が多い曲/アルバムは?
TL : 間違いなくツアー用に覚える必要のあったSPARK7やゲスト・ギタリストの楽曲だね。仕事以外で言えば、最近はiTunesでラジオを聴くことが多いよ。ラジオ以外にもEAGLES、DEEP PURPLE、BLACK SABBATH等のクラシック・ロック系を聴くことが多かった。普段はラジオで70年代の音楽を聴くことも多いよ。あの頃の音楽は一切「機械」を使っていないからね。全てが手作りの音楽だ。全てが本物だ。パソコンやシーケンサーを使った作品等ひとつも無い。ミュージシャンやエンジニアの血と汗と涙が詰まっている。それが素晴らしいところだ。自分が聴いている音楽が生身の人間の高い技術によって作られたものだと分かって聴いている時の気持ちは最高だ。最新技術を駆使した現代の音楽ではそれが欠けていて、昔のスタイルを恋しく思うこともあるよ。自分の作品でもBeat Detectiveを使った編集や音のサンプリング、クオンタイズ等、人間味や個性を無くさせ、全てを同じように聴こえさせるような処理や加工は使いたくないね。ドラマーそれぞれのチューニングの細かいニュアンスも聴きたいし、レコーディング時の部屋鳴りやアンビエンスも感じたい。マイクの音、プリアンプの音、イコライジング、ミキシング・コンソールの音もしっかりと聴きたい。個性、そして本物の演奏を聴きたいから、その当時の音楽を聴くようにしているんだ。いつもは「70’s On 7」や「ABC Disco Funk」というラジオ・チャンネルを聴いているよ。素晴らしい楽曲と演奏が楽しめる。

Louis : ツアー中は日本の食べ物も楽しんでいたようだけど、何が一番美味しかった?
TL : 銀座にあるGINZA KOSOというお店で食べた牛の生肉(ユッケ)や牛肉の刺身を上質の赤ワインと一緒に頂いたのが一番印象的だったね。日本食は全て大好きさ!日本ではどこで何を食べても美味しいね。日本の飲食店の様々な要素を楽しむことができるよ。調理法や素材の品質、味付け、食器や盛り付け、お箸、テーブルマナーやエチケット、それに座敷での食事も楽しめたよ。お寿司、刺身、天ぷら、ラーメン、お好み焼き、照り焼き、何を食べても美味しかった!

Louis : 今後の予定は?
TL : SPARK7のツアーが終わってからはMIDAS FATEというバンドのブラジル人ギタリストVitor Camposのアルバム・レコーディングに参加する予定だ。8月中は家族と休暇を取りながら、次のソロアルバムの作曲も始める。更にドラム・キャンプに参加するためクロアチアにも行く。その後、9月はスタジオ・セッションやドラム・キャンプ、フェスティバル出演等のために韓国やコロンビア、スイスに行くことになっている。10月はロスでレコーディングの仕事が沢山予定されているし、Drum Channel用の教則映像も収録することになっている。11月と12月は長い休暇をとるつもりだ。

Louis : 日本のファンへメッセージをお願いします。
TL : 自分の音楽やドラミングを支持してくれたり、応援してくれる日本の友人やファンの皆さんに心から感謝したい。日本のリスナーの皆さんのテクニカルな音楽に対する興味や感謝の気持ちにはいつも感銘を受けます。日本で演奏できることは自分にとって光栄なことです。日常生活の中にも存在している尊敬の気持ちや丁寧さに基づいた日本人のメンタリティーにもいつも感心しています。日本で演奏している時にオーディエンスからも感じられる日本人の心。そんな素晴らしいエネルギーに満ちた日本の皆さんの前で演奏できるのはとても喜ばしいことです。近い将来、日本に戻ってまたツアーができることを願っているよ!

アリガトウゴザイマス!

Vol.38 Jeremy Brunner / September 2014

Jeremy Brunner

The new 80s hard rock project X-DRIVE features rookie guitar player Jeremy Brenner, along with big names in the scene such as vocalist Keith St. John from BURNING RAIN, bass player James Lomenzo formerly from MEGADETH and WHITE LION, and drummer Fred Fischer. X-DRIVE’s debut album “Get Your Rocks On” features catchy 80s hard rock music written by Jeremy Brunner, which creates a magnificent blend with Keith St. John’s emotional vocal performances, reminding the listeners of the glorious arena rock days. Jeremy Brunner, the central figure of X-DRIVE, talks to MUSE ON MUSE about the “Get Your Rocks On” album, as well as about his musical background.

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Vol.38 Jeremy Brunner / September 2014

Jeremy Brunner

新人ギタリストであるジェレミー・ブランナー(g)を中心にバーニングレインのキース・セント・ジョン(vo)やホワイトライオン、メガデスなど数々の著名バンドでの活躍で知られるジェイムズ・ロメンゾ(b)、そしてフレッド・フィッシャー(ds)といったハードロック界の強者が脇を固めた正に80’sハードロック・プロジェクトと呼ぶにふさわしいX-DRIVE。
デビューアルバム「GET YOUR ROCK ON」はジェレミーが作り上げたキャッチーな曲とキースのエモーショナルなヴォーカルの絶妙なコンビネーションによる良質なアリーナ・ロック作品に仕上がっている。
プロジェクトの中心人物であるジェレミーに彼が影響を受けてきた音楽やデビューアルバム「GET YOUR ROCK ON」についての話を訊いた。

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Thomas Lang (トーマス・ラング) 来日レポート

Text by Louis Sesto (Eagletail Music)
 
去る2014年7月12日〜21日、世界でも屈指の超絶ドラマーとして有名なThomas Lang(トーマス・ラング)が日本の8弦ギタリストISAO率いるテクニカル・インストゥルメンタル・バンド「Spark7」のレコーディングとツアーに参加するために来日。MUSE ON MUSEは彼のレコーディングとツアーに密着し、来日レポートを敢行!

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