Thomas Lang (トーマス・ラング) 来日レポート

Text by Louis Sesto (Eagletail Music)
 
去る2014年7月12日〜21日、世界でも屈指の超絶ドラマーとして有名なThomas Lang(トーマス・ラング)が日本の8弦ギタリストISAO率いるテクニカル・インストゥルメンタル・バンド「Spark7」のレコーディングとツアーに参加するために来日。MUSE ON MUSEは彼のレコーディングとツアーに密着し、来日レポートを敢行!

自身のバンドSTORKで活動しながら数多くのセッションワークに参加。また、ドラム・クリニックを手がける他、自ら企画と運営をするドラム・キャンプ「Big Drum Bonanza」を開催する傍ら、自身のレーベルも運営しながら多忙を極める中、トーマス氏は7月12日にロサンゼルスから来日。
前日までドラム・キャンプの仕事に携わっていたというトーマスだったが、来日した翌日の13日からは都内のスタジオで早速レコーディングを開始。今回のレコーディングは今年の秋にリリース予定のSpark7ニュー・アルバム用に8曲が用意され、3日間というタイトなスケジュールの中でドラム・トラックのレコーディングとなった。
来日前のドラム・キャンプからの疲れや時差ぼけもあったことから、初日は調整しながらのスロースタートになるとSpark7リーダーのISAO氏やスタジオのスタッフは予想していたが・・・1時間も経たないうちに最初の1曲を録り終えるというトーマスの驚異のレコーディング・パフォーマンスをメンバーとスタッフ一同は目の当たりにした。

その後も快進撃を続けたトーマスは初日で予定より多い3曲を録り終える。複雑な構成や変拍子が多く、決して簡単とは言えないSpark7の楽曲でありながらも1曲2〜3テイクのみで曲を仕上げるという驚きのスピードと正確さ。そして、正確なプレイの中にも超絶テクニックを適所に取り入れるレベルの高い演奏が淡々と続けられた。
2日目も同じようなハイペースでレコーディングが進み、予定よりも早く用意されていた楽曲を録り終えたことから3日目には追加の曲が用意されるなど、順調すぎるレコーディングとなった。また、レコーディング期間中にも取材やアルバム用の写真撮影、動画素材撮影も行われたが、多忙な毎日にも関わらず常に笑顔やユーモアを絶やさない姿勢がとても印象的だった。

特に周囲が驚いていたレコーディング作業の早さに関して、トーマスはこう説明していた:「ロサンゼルスのスタジオ仕事では1日に12曲以上のアルバムを仕上げるのが今では当たり前になっている。」演奏力や正確さからスピーディなレコーディングまで、まさに世界トップクラスのスタジオワークを日本のスタジオで披露してくれたトーマス・ラングであった。
 
レコーディングを終えた翌日はツアー向けのリハーサル。そしてリハーサル翌日にはすぐに本番というまたしても慌ただしいスケジュールの中、ツアー初日の7月17日は吉祥寺シルバーエレファントにて行われた。

この日のSpark7メンバーはリーダーのISAO(Guitar)とトーマス・ラング(Drums)の他に瀧田イサム(Bass)、大高清美(Organ)、ゲストとしてGRANRODEOの飯塚昌明(Guitar)が参加。
ソールドアウト公演となった初日はISAOの別バンドCuberayの楽曲でもある”Cuberay”でスタート。曲中のドラムソロ・コーナーでは驚異的なテクニックと迫力を爆発させたトーマスに満員の観客は1曲目から多いに盛り上がった。その後も難解な楽曲の中で完璧なプレイを見せながらパワーとテクニックを惜しみなく披露して観客を圧倒。アンコールではRACER Xの”Technichal Difficulties”を演奏し、トーマス・ラングをはじめ各メンバーの高い演奏技術に満ちた90分にも及ぶショウはまさに非の打ち所もない内容だった。

シルバーエレファントでのライヴを終えた翌日から浜松、大阪と公演が続いた。各地でのショウはどの公演も大盛況。浜松では17歳のスーパー・ギタリスト、太田聖也、大阪ではDAVID LEE ROTHバンドのメンバーとして活躍していた経験を持つToshi Hiketaがゲストとしてライヴに参加した。
 
ステージでは激しいパフォーマンスを見せるトーマスも、ステージを降りると忙しいながらも日本での時間を可能な限り満喫しようとしていた。元々、世界中をツアーやクリニックで旅をしているトーマスにとって異国の食べ物や文化も受け入れやすく、常に好奇心をみせていた。今回のツアーでも様々なメニューにチャレンジ!東京ではCoCo壱番屋のカレーライスや天下一品のこってりラーメンにもトライして大満足!また、関係者との食事会では高級焼肉店のユッケを気に入っていた他、大阪では以前からお気に入りのお好み焼きや初チャレンジのネギ焼きも食べていた。タイトなツアースケジュールの都合上ファミレスで食事をすることもあったが、ファミレスではカレードリアがお気に入りのようだった。


 
そして再び東京へ戻りツアーは六本木CLAPSにて最終日を迎えた。この日はベーシストとして坂本尭之が参加した他、ゲスト・ギタリストにはケリー・サイモンズと9才の天才ちびっ子ギタリストのKEIJI君が参加。(当日の演奏はこちらでチェックできます:http://youtu.be/4UGB7aYBAdM
更には音楽と演劇等の要素をフィーチャーしたグループ「魔界少女拳」もライヴに参加し、ツアーファイナルに相応しい豪華なコンサートとなった。既に来日から1週間以上、毎日ハードかつテクニカルなドラミングを叩き続けていたトーマス・ラングだったが、この日も疲れを少しも見せること無く凄まじいエネルギーで観客を終始魅了した。
慌ただしくもツアーファイナル翌日には再びロスへと戻ったトーマス・ラングだが、今回の来日では様々な形で世界トップクラス・ミュージシャンとしてのプロフェッショナリズムを披露してくれたと言っても過言ではない。レコーディングにおける仕事の早さや全くミスをしない正確な演奏力、ハイレベルなテクニック。ライヴではそれに加え凄まじいパワーやグルーヴ、パフォーマンス要素等を見事に披露してくれたトーマス・ラング。更にメンバーやスタッフ、関係者だけでなくファンに対しても常に心遣いを忘れない。とても優しく、そして常に礼儀正しいところもまた彼が素晴らしいミュージシャンだと言われる所以ではないだろうか。

今回、トーマス・ラングがレコーディングを行ったSpark7のニュー・アルバムは今年の秋に発売予定となっている。レコーディングにはトーマス・ラングの他にISAO(ギター)、大高清美(オルガン)、フィリップ・バイノー(ベース)の参加が決定している他、超スペシャルなゲスト・ギタリストも決まっているも決定しているとのこと。詳しい情報はISAOのブログやFacebook等で発表されるはずなので是非チェックして頂きたい。

 

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