Vol.77 KEE OF HEARTS / September 2017

KEE OF HEARTS

元EUROPEのギタリストであり、2016年に会心のソロ・アルバム「SCALING UP」で健在ぶりを示したKee Marcello(キー・マルセロ)と日本でも人気を誇るFAIR WARNINGのシンガー Tommy Heart(トミー・ハート)によるプロジェクト KEE OF HEARTS が遂にデビューアルバムをリリース。デビュー作「KEE OF HEARTS」は収録曲の全てがプロデュサーであるAlessandro Del Vecchioを中心とした外部ライターの作曲によるものであるが、強烈なオリジナリティを誇るキーとトミーは、それら楽曲をエモーショナルかつクレバーでセンス溢れるキーのギター、パワフルで艶のあるトミーの歌唱により見事にKEE OF HERTS流に昇華。彼らのファンはもちろん、広くハード・ロックのファンを魅了するであろう聴きごたえある優れた作品となっている。キー・マルセロ、トミー・ハートにデビューアルバム「KEE OF HEARTS」について訊いた。

Interview / Text  Mamoru Moriyama
Translation         Hiroshi Takakura

Muse On Muse (以下MM) : KEE OF HEARTSのデビュー・アルバムは、EUROPE、Kee Marcello Band、FAIR WARNINGといったメロディク・ハード・ロックの音楽ファンを満足させる素晴らしいアルバムとなっていますが、KEE OF HEARTSがプロジェクトとして発足した経緯についてお聞かせ下さい。
Kee Marcello (以下KM) : レーベル( Frontiers )から、Fair Warningのヴォーカリストのトミー・ハートとコラボレーションしてみないかって連絡があったんだ。もちろん興味深い話だったね。俺が1つだけ条件を付けたのは、最高のベーシスト、ケン・サンディン( Kee Marcello Band)に参加してもらうって事だ。俺達は長年一緒に仕事してきてるし、俺のギターとケンのベースは相性がいいからね。

Tommy Heart (以下TH) : 面白い事に2005年にもフロンティアレーベルの社長のセレフィノ・ペルギノにメロディック・ハード・ロックのプロジェクトをやらないかって言われたけど当時は興味が無かったんだ。その数年後に同じように誘われたんだけど、そのプロジェクトの相手が長年リスペクトしてきたキー・マルセロだって聞いて、何てエキサイティングなプロジェクトなんだって興奮した。もちろん二つ返事だったよ。

MM : FAIR WARNING等におけるトミーの音楽、ヴォーカルについてはどのような印象を抱いていましたか?
KM : 彼は間違いなくワールドクラスのヴォーカリストだ。Fair Warning、Zeroや彼のソロ、どれを聴いてもわかるのは、彼がどのジャンルでも簡単に歌いこなせるって事さ。凄い才能を持っていて、一度聴けば忘れられない印象的な声を持っている。だから絶対一緒にやろうぜって感じだったね!

MM : トミーはこのプロジェクトに携わる以前、キーに対してどのような印象を持っていたのでしょうか?
TH : 俺はキーのような偉大なギタリストの大ファンなんだ。彼の作品はソロ作からEuropeまで全部チェックしたよ。強烈で最高の楽曲を作れるアーティストだ。一緒に仕事ができたら素晴らしい結果になるって確信していたよ。実際にそうなったしね (笑)

MM : このアルバムの収録曲は全てプロデューサーであるAlessandro Del Vecchioを中心に外部ソングライターが手掛けた曲です。あなた達は優れたボーカリスト、ギタリストであると共に優れたコンポーザーでもあるわけですが、クリエイティヴといった部分ではこのプロジェクトについてどう感じていますか?
KM : 俺にとってはいつもと違った新鮮なアプローチだったかな。ミュージシャンの視点から曲に入って行くといえばわかってもらえるかな。皆も知ってる通り、俺はキャリアの中で自分のバンドだけでなく、他のアーティストに対しても、多くのビッグヒット曲を提供してきた。今回はその逆で自分が作曲していない素材にどうアプローチするかっていう作業だから、自分では予想できない面白い結果になるっていう予感はあったね。

TH : キーや俺がそれぞれ昔から作ってきた作品を知っている人なら、どんなものができあがるかが分かるんじゃないかな。俺はシンガーで、とにかく良い曲で歌うのが好きなんだ。例えば君が作詞作曲した曲は、君が産んだ子供みたいなものだ。でもその子が素晴らしい子供で、その子を引き取って自分流に育て上げる事ができるなら、それを断る理由はないね。良い曲は良い曲なんだよ。このプロジェクトの為にアレサンドロは素晴らしい曲を書いてきた。そしてこのアルバムの評判を聞いていると、このプロジェクトが成功した事を実感したし、ファンも満足してるんだ。そしてこの作品がKee Of Heartsの最後の作品ではないだろう。俺達の未来は明るく道は開かれてるよ!

MM : アルバムのレコーディングはどのように進められてどのくらいの期間を要したのでしょうか?
KM : 他の仕事も並行して取り組んでいたから、期間について言うのは難しいんだけど大体2ヶ月半から3ヶ月くらいかな。ギターを全体的にどう鳴らせば良いかを決めるのが第一段階でそれが一番難しいんだけど、そこさえ掴んでしまえば後はイージーだね。

TH : 曲に取りかかってから録音が終わるまで大体4週間くらいだったかな。俺も他の曲のミックスダウンがあったり、ソロアルバムの為の曲作りがあったから、その4週間の中で作業を中断した事もあったけどね。でも他の仕事をやる事によって、このプロジェクトに戻った時に新鮮な気持ちで集中できるっていうメリットもあった。

MM : このアルバムでもファンが求めるメロディックでクレバーなKee Marcelloスタイルが健在です。ギターに関してはAlessandro Del Vecchioが事前に用意したデモにはどの程度、バッキング、ギターソロが作り込まれていたのでしょうか?
KM : 送られてきたデモにはオーソドックスなデモ用のギターしか入っていなかった。平均点くらいの内容だ。そこに入っていたリズムギターはほとんど参考にしていないし、ソロのリードギターは完全に俺のオリジナルだ。

MM : それらをどのようにしてKee Marcelloスタイルに発展させていったのでしょうか? 詳細なアプローチ方法について教えて下さい。
KM : このようなプロジェクトをやる時には、まずデモをよく聴いてその曲の構成上、絶対に必要なリフの部分をメモしておくんだ。その後はデモ内のギタートラックはミュートにして聴き返す事はない。聴こえると気が散るだけだからね。送られてくるデモのギターっていうのはほとんどが使用するに耐えないものなんだよ。リアルに弾いたギターとデモ用のギターには、もの凄く大きな差があるって事を皆が知る必要がある。その後ドラムやベース、キーボードやボーカルを聴いて、俺のリズムギターとソロパートを他の楽器との兼ね合わせを考えながらアレンジしていくんだ。そしてデモのギターにありがちな意味の無いパワーコードが延々と弾かれているなんて時は、そのパワーコードをリフやラインやフックに置き換えて、曲調を柔らかくする事なく曲自体を強調できるものに変えていくんだ。

MM : Alessandroは楽曲を提示する際、ギターに関してどういった事をあなたに求めましたか?
KM : 俺にはわからないよ。それに彼に指図されるつもりもないし。俺がギターを弾く時はその作品に合うスタイルを俺が決めるんだ。それが俺がプロジェクトに参加する時のルールで、それが俺なんだ。俺はセッションの為のギタリストじゃないからね。でもアレッサンドロが出来上がりに満足しているのは知っているよ!

MM : 曲を提示されてからボーカル録りを完了するまでの感情面での持っていき方を含めた詳細なトミー流アプローチ方法を教えて下さい。
TH : レコーディングする時は俺自身がその曲の虜になっていないと良い作品にはならないんだ。歌詞と自分の声がリンクしている事も必要だ。俺が心から歌いたいという状況にならないといけないんだ。その後、どんなストーリーが歌詞の中で語られているのかを聞いて、自身の経験と照らし合わせていく、歌詞やメロディラインを少し変える必要がある時もある。自分がどのくらいその物語を語れるかっていうのが俺にとって重要なポイントだね。何て言ったらいいのかな。痛みや愛や情熱や、血や汗や涙を全て歌に込めないといけないんだ。心の底から真実を歌わなければ、自分の時間を無駄にしているだけれなく、わざわざ外に出かけて俺達の音源を買って聴いてくれたみんなの時間をもムダにしてしまうのさ。最終的に全ての感情を表現できてその曲を掴む事ができたら、その曲は自分の一部になるんだ。

MM : ヴォーカルに関してAlessandroはどういった事をあなたに求めましたか?
TH : アレッサンドロは基本的に曲を提供しただけでそれだけだね。彼は俺達の事を信頼してるから、自由に俺達がベストと思うやり方で進めさせてくれたよ。レコーディングの時も、こういう風にやってくれって言われた事もないし、質問もなかった。俺達は大人だしリスペクトし合ってるから、それが理由でこのアルバム作りは素晴らしい経験になったね。長年一緒に仕事をしているベルリンのエンジニアとレコーディングを進めたから、思い通りの結果になった。アレッサンドロは完成したトラックにとても満足していたよ。俺達全員だけどね!

MM : 今回のプロジェクトで実際に共演してみて如何でしたか?
KM : トミーと合って作業するのは凄く楽しかったね。彼とよく話をして、彼をより知ってみて分かった事は俺達二人が大体同じ型からできてるって事、だから実際に知っている年月よりもはるかに長く付き合いがあったかのように感じている。そして音楽的に俺達のサウンドは驚くほど良い相性で、トミーのヴォーカルと俺のギターは力強いユニットなんだ。

TH : 俺も同じ事を考えてたよ!俺達はこれからもっと曲を出すし、音楽的に同じ方向に向かっているから、今後どんな形になるか楽しみだね!俺にとってはこのプロジェクト自体がクリスマスみたいなもので、1曲づつ作る毎に、1つづつプレゼントを開けていく感じだね。また同じメンバーでリハーサルスタジオに入って、新曲を作るのが本当に楽しみだね。そんな俺達のライブセットがどうなると思う?狂ったように強烈なエネルギーが沸き起こるはずだよ!

MM : お互いから見てアルバムの収録曲で「Keeらしさ」、「Tommyらしさ」が最も表われている曲、その理由をお聞かせ下さい。
KM : 選ぶのが難しいね、彼の感情表現はどの曲でも心に残るんだ!1つだけ選ぶとしたら”A New Dimension”かな。彼のソウルフルなボーカルと俺の怪しいギターラインが曲全体を駆け抜けた結果、魔法のような空間が広がるんだ。

TH : このアルバム全体がメロディック•ロックの怪物だと思ってるから、1つ選ぶのは大変だね!キーのギターは曲を別次元に昇華させたんだ。彼のサウンドは、シンプルなメロディーを弾いてる時もとても力強いと同時に魂に響くんだ。ライブで演るのが待ちきれないよ!

MM : KEE OF HEARTSでのライヴは予定されているのでしょうか? KEE OF HEARTSの今後についてお聞かせ下さい。
KM : 計画はあるんだけど、まだ何も決定していない段階だ。このプロジェクトに関わった人間は皆ライブをやりたいと思ってるから、また追ってお知らせするよ!

TH : さっきも言ったけど未来は開かれていて、不可能な事は1つも無いんだ。全ては俺達とファン次第さ。俺達がこのプロジェクトを気に入ってるように、ファンのみんなにも好きになって欲しいと思ってる。Kee Of Heartsっていう新しいゲームができたからみなで遊ぼうぜ!って感じかな。

MM : ファンへのメッセージをお願いします。
KM : やぁ、みんな! 熱心なニッポンのファンには長年サポートしてもらっていて本当に感謝してるよ!日本との付き合いは1987年からずっと続いていて、みんなのサポートを誇りに思っている。次にショーの為に来日する日が待ちきれないよ。Kee Of Heartsのライブまでちょっと待ってて!

TH : みんな元気?30年以上俺の音楽をサポートしてくれてありがとう!感謝しても仕切れないくらい皆のサポートを光栄に思っている。そして今回Kee Of Heartsを聴いてくれた新しいファンのみんなには、搭乗ありがとうと言いたい。今回の旅は俺達にとっても、皆にとっても素晴らしいものになるって確信してるよ!みんなと同じくらいエキサイトしてるんだ!ライブの時に合えるのを楽しみにしているよ!

KEE OF HEARTS facebook :  https://www.facebook.com/KeeOfHearts/


KEE OF HEARTS / KEE OF HEARTS
CD : AVALON MICP-11368 ¥2,600+税

1. The Storm
2. A New Dimension
3. Crimson Dawn
4. Bridge To Heaven
5. Stranded
6. Mama Don’t Cry
7. Invincible
8. S.O.S.
9. Edge Of Paradise
10.Twist Of Fate
11.Learn To Love Again
12.Invincible (Acoustic Version) JAPANESE BONUS TRACK

Produced by Alessandro Del Vecchio From Germany
<Member>
Tommy Heart (Vo)
Kee Marcello (G)
Ken Sandin (B)
Marco Di Salvia (Dr)