Vol.65 Philip Sayce / October 2016

Philip Sayce


Photo by Pété Photographie

Philip Sayce(フィリップ・セイス)がライヴ作品「Scorched Earth Volume 1」をリリースした。このライヴ作品ではフィリップのパワフルで情熱的な歌声、そして心の赴くまま自由自在にストラトギターより放たれるダイナミクスに溢れたギタープレイ、サウンドが無修正、オーヴァーダビング無しにてそのまま詰め込まれており、正真正銘のリアルなミュージシャン フィリップ・セイスを存分に楽しむことができる。
作品タイトルのVolume 1が示す通り、今後もVolume 2、3といった続編や予定されているそうでファンの楽しみはまだまだ続く。この素晴らしいライヴ作品「Scorched Earth Volume 1」についてフィリップに訊いた。


Photo by Pété Photographie

Interview / Text  Mamoru Moriyama

Translation         Louis Sesto (EAGLETAIL MUSIC)

 

Muse On Muse (以下MM) : 少々前の話となりますが、昨年はフジ・ロックフェスティバルで来日し、熱いステージパフォーマンスを披露しました。日本でのライヴは如何でしたか?
Philip Sayce (以下PS) : 昨年、フジロックに出演したことは自分のキャリアの中でもハイライトと言えるような出来事だったよ!参加できてとても光栄に思っている。ともかく楽しかったね。今までに出演した全世界の色々なフェスティバルの中でも大好きなフェスのひとつと言える。またすぐに日本でプレイできることを願っている。日本で再びプレイできるように、今は良い機会や可能性を探っているところだ。

MM : 2014年にリリースされた作品「Influence」は、2015年にあらためてWarner Music Canadaからのリリースによって、より多くの音楽ファンに届けられることとなりました。
PS : そうだね、Warner Music CanadaやWarner Music Japanとパートナーシップを結ぶことができたのは自分にとってとてもエキサイティングなことだ。このパートナーシップによって沢山の人々たちと音楽の力やポジティヴな力、愛の力を通じて繋がることができるように願っているよ。

MM : それでは最新ライヴ作品「Scorched Earth Vol.1」について、まずはタイトルについて説明下さい。Volume 1ということは今後も同タイトルによる続編が予定されているのでしょうか?
PS : 新しいライヴ・アルバムはカナダのトロントにあるThe Silver Dollar Roomという会場でレコーディングした。4月に行ったツアーでの公演だった。ともかく会場は熱気でムンムンしていて暑かったのを覚えているよ!このタイトルはWarner Music Canadaの副社長でもあるスティーヴ・ワックスマン氏が考えたのさ。このライヴ・プロジェクトの面白いところは、今回がVol.1だということ。つまり、既にVol.2、Vol.3・・・そして更に先まで視野に入れているということだ!

MM : 会場の熱気が伝わる素晴らしいライヴ作品となっています。手元に資料が無いのでお伺いしますが、収録は複数のショウに渡り行われたのでしょうか?詳細を教えて下さい。
PS : 盛り上がってくれた観客に感謝しているよ!今回のライヴ・アルバムに収録されている音源は全てカナダのトロントにあるThe Silver Dollar Roomという会場で行われた1回のショウでレコーディングしたものだ。オーヴァーダブや修正は一切行っていない。

MM : ライヴでのセットリストを組む際、選曲や曲順はどのような観点で決定しているのでしょうか?
PS : 通常はライヴの直前にセットリストを決めている。今回の場合は、ベーシストとドラマーのJoel GottschalkとKiel Feherと一緒に考えた。その日の会場やお客さんに合うようなセットリストを考えたつもりだ。その思いが音源を通じて皆に伝わっていると嬉しいな!会場のエネルギーを感じながら考えることもあるし、お客さんたちに「次は何が聴きたい?」と、直接訊くこともある。ともかく流れに任せるようにしている。

MM : ライヴでは相変わらずパワフルで情熱的な素晴らしい歌声を披露していますが、ツアーにおいて喉のコンディションを保つためにはどのように工夫していますか?
PS : ありがとう!いつもショウの前と後にウォーミング・アップをするようにしている。クリアな声やパワー、そしてレンジを保つためにウォーミング・アップは非常に重要だ。疲れている時は本番に備えてベストなコンディションをキープできるように丸一日全く喋らないで喉を温存することもある。

MM : 正にストラトの咆哮・・といった感じの強烈かつ太く伸びやかでダイナミクスに溢れたギタープレイ、サウンドが聴き手を惹きつけます。
PS : ありがとう!こういった意見にはとても感謝しているよ。今回の作品には自分の111%を注いだつもりだからね!だからこそ、作品に収められた音楽を聴いた時に、そこに秘められた「愛」を感じとってほしい!

MM : ライヴ会場における音作りにおいて心がけていることは?あなたはステージ上でギターアンプの背面を聴き手に向けて設置していることがありますが理由を教えて下さい。
PS : とても難しい質問だね。何故ならライヴという状況においては変化する要素がとても多いからだ。今回のライヴ・レコーディングでは自分もJoelもKeilもレンタル機材を使っていた。僕はリイシューのフェンダー・ツインリヴァーブとリイシューのフェンダー・デラックスリヴァーブを使った。両方とも良いチューブ・アンプではあるが、レンタルのアンプは自分の持ち物ではない。言わば、他人の靴を履いているような感覚だ。スーツをレンタルしているような感じだね。ともかく、アンプにギターを繋げてそのままプレイした状況だ。レンタルしたアンプは状態も良かったので特に大きな問題もなかった。もっと小さい会場でプレイする場合はアンプの背面を客席に向けることもある。使っているアンプがオープンバックということもあるし、この方がアンプの正面から出る音でお客さんの耳を大音量で圧倒せずに部屋全体に音を分散することができる。来てくれているお客さん一人一人に楽しんでもらいたいという気持ちがあるからね。ステージ上で音のセッティングが上手くいくとみんながハッピーになる訳だ。我々の音響エンジニアのJeffrey Holdipは、お客さんが良い音でショウを楽しんでもらえるように素晴らしい仕事をしてくれている。大きな音を出しながらも調ったサウンドに仕上げてくれるだけでなく、聴きやすく温かみのあるサウンドを実現してくれている。

MM : ライヴ作品をリリースするアーティストの中には、完璧を求めライヴ収録したパフォーマンスに手直しをするタイプと、ミスもライヴの醍醐味と割り切ってほぼ無修正で通すタイプがいるかと思います。あなたのライヴ作品に対するスタンスをお聞かせ下さい。
PS : これはとても個人的な質問であって、人それぞれ異なる解釈があるだろう。自分の場合は、可能な限り修正やオーヴァーダブは行わない方が望ましい。今回の作品「Scorched Earth Vol.1」では修正やオーヴァーダブは全く行っていない。

MM : ところであなたがフェイバリットに挙げる歴史上のライヴ作品は? その作品をフェイバリットに挙げる理由も教えて下さい。
PS : とても良い質問だね。自分の好きなアーティストのブート作品も沢山聴いているからね。どれが正式なライヴ・アルバムで、どれがブート作品だったか思い出すのが難しいけど!中でも気に入っている作品はStevie Ray Vaughan and Double Troubleの「Live at the El Mocambo」やLed Zeppelinの「Live at Royal Albert Hall」、Creamの「Live Cream」と「Wheels Of Fire」に収録されているライヴ音源、そしてFreddie Kingの「Live at The Sugarbowl」。それ以外にも好きなライヴ・アルバムは沢山あるよ!

MM : 新しいスタジオ作品の制作について予定はありますか?次作についての構想があればお聞かせ下さい。
PS : あるよ!既に新曲も用意してあって、もうすぐレコーディングをしようと思っているところだ。可能な限り、常に新しいリフやアイディアを考えながら新曲作りに取り組んでいるよ。最近の音楽業界の傾向を考えると、今後は(アルバム単位ではなく)1曲か2曲毎にリリースしていくかもしれないね。12曲入りのフルアルバムはもう必要ないかもしれないね。特にフルアルバムのレコーディングには莫大な費用がかかる。一度に2〜3曲をレコーディングする方が現実的だ。今後はライヴ作品と新曲のスタジオ・レコーディングを組み合わせた形で自分の音楽を発表していくような流れになるだろう。ライヴもスタジオ・レコーディングも、常に新しい作品を発表し続けることが自分にとっては重要だと思っている。ともかくひとりでも多くのリスナーに届くことを願っている。

MM : ファンへのメッセージをお願いします。
PS : いつも日本の皆さんに応援して頂いて心と魂の底から感謝しています!去年の夏はフジロックという素晴らしい冒険を経験することができました。今はまた再び日本に戻れるように様々な可能性を探っているところです。僕の音楽と信念を広げる手助けをしてくれて本当にありがとう。心から感謝しています。また近いうちにお会いしましょう!
 
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Scorched Earth Volume 1 / Philip Sayce

1.Steamroller / Powerful Thing
2.Blues Ain’t Nothing But A Good Woman On Your Mind
3.Standing Around Crying / Aberystwyth
4.Beautiful
5.A Mystic
6.Out Of My Mind
7.Alchemy

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