Vol.61 Oz Noy / June 2016

Oz Noy

Oz Noy(オズ・ノイ)が新作「Who Gives A Funk」をリリースした。スタジオ・アルバムとしては「トウィステッド・ブルース Vol.1」、「トウィステッド・ブルース Vol.2」以来の作品となる。トゥイステッド・ブルースでは、エリック・ジョンソン、ウォーレン・ヘインズ、チック・コリアなどをはじめとした多くのゲストを迎え、オズならではのオリジナリティ溢れる世界を提示した。今作においてもOz Worldは健在。ホーン・セクションを迎えたアンサンブル、そしてランディ・ブレッカー、ロベン・フォード、ジョー・ボナマッサ、ドゥイジール・ザッパなど豪華ゲストミュージシャンとオズの互いの個性溢れるプレイの応酬が引き起こす音楽の化学反応を楽しむことができる。新作「Who Gives A Funk」についてオズに訊いた。


Interview / Text  Mamoru Moriyama

Translation         Louis Sesto (EAGLETAIL MUSIC)

 

Muse On Muse (以下MM) : 過去の「Twisted Blues Vol.1」、「Twisted Blues Vol.2」といった作品ではブルース、そして新作「WHO GIVES A FUNK」ではファンクにフォーカスされているようですが、これら音楽フォーマットを掘り下げた上でOz流に解釈・提示するアルバムを作ろうと考えた背景を教えて下さい。
Oz Noy (以下ON) : 音楽を作曲したり、録音する際は頭の中にコンセプトが無いとプレイすることができない。”Twisted Blues”プロジェクトに関しては様々なブルースの形を色んな手法を使って変化させたり、ねじ曲げたり、引き伸ばしたりするのがコンセプトだった。今回の新しいアルバムではジェームス・ブラウンのようなフャンク/ソウル系バンドのような形態を思い浮かべていた。作曲面に関してはなるべくシンプルでキャッチーな楽曲を作るように心掛けていた。勿論、そういう楽曲を作るのが一番難しいけどね。シンプルな曲よりも複雑な曲を書く方が簡単だ。ともかく、頭の中にしっかりとした方向性があった方が作曲や演奏に集中できる訳だ。

MM : 新作のタイトルである「WHO GIVES A FUNK」に込められた意味について教えて下さい。
ON : ”Who gives a fuck”(訳=どうでもいい)というフレーズの言葉を変えてみただけなんだ。音楽のルールや枠なんて気にしていないからね。いつも自分の好きなことをやっているだけだから。それがそのままタイトルになったという訳だ。

MM : アルバムにはランディ・ブレッカーからロベン・フォード、ジョー・ボナマッサ、ドゥイージル・ザッパといった大勢のゲストミュージシャンが参加しています。彼等が参加した経緯についてお聞かせ下さい。
ON : みんな大好きなミュージシャンたちだ。アルバムを作る時は、誰が楽曲に面白い味を加えてくれるかを考えながらゲストを選ぶようにしている。彼らには連絡を入れてゲスト参加をお願いして了承してもらっているだけのことだ。レコーディング用のファイルをそれぞれのゲストに送って、彼らのソロを重ねてもらった。楽曲自体は元々ヘヴィなグルーヴをベースにしていて、複雑なキメ等もあまりないので、この方法で問題なくソロのオーバーダヴをすることができたのさ。

MM : アルバムのレコーディングはどのように進められたのでしょうか?
ON : まずは我々(ドラム、ベース、オルガン、ギター)でスタジオに数日入って、ライヴで録音してベストのパフォーマンスを残すようにする。通常は1曲5〜8テイクほど演奏して、各テイクからの一番良い演奏を編集して残すようにしている。オーバーダヴや修正はしないようにしている。色んなテイクから良い部分をくっつけて曲を完成させているのさ。

MM : アルバムではあなたによるオリジナルの新曲が4曲収録されていますが、これら曲について説明をお願いします。
ON :
“COME ON”
ニューヨークへ引っ越した20年前に書いたリフだ。曲を完成させるのに随分長い時間がかかってしまったよ(笑)
“FLASHBACK”

アルバム用に収録する新曲を選んでいる時にハードディスクの中にこの曲を見つけたのさ。友達と一緒に手掛けていた音楽ライブラリ用に作った曲のデモだった。まだA部分しかなかったので、そこにB部分を作って足した。A部分は既に完成された状態だった。

“ICE MAN”
大好きなアルバート・コリンズに捧げた曲だ。70年代のブルース/ファンク時代を彷彿とさせる楽曲だ。

“ZIG ZAG”
このアルバムの中で最も誇りに思える曲だ。いや、もしかしたら今までに書いた曲の中で最も誇りに思える曲かもしれない!どのバンドにも有名な代表曲が存在する。例えばTHE METERSには”Cissy Strut”という代表曲があるね。この”Zig Zag”は自分にとっての”Cissy Strut”なんだ!

MM : “DAMN, THIS GROOVE”はデビュー作「Oz LIVE」にも収録されていましたが、今回、ドゥイージル・ザッパをゲストに招き再び収録しようと考えたのはなぜでしょうか?
ON : 以前のバージョンとは少し異なる雰囲気が欲しかったのと、きちんとしたスタジオ録音バージョンが欲しかったのが主な理由だ。メインリフはとても気に入っていたのだが、B部分はフュージョン要素が少し強過ぎた気がしたので、そこは書き直してもう少しファンカデリックな雰囲気を加えた。ドゥイージルにも彼のエネルギーと捻りを少し加えてもらった。

MM : ジェームス・ブラウンの”I GOT YOU(I FEEL GOOD)”、サム・クックの”A CHANGE IS GONNA COME”を取り上げた経緯をお聞かせ下さい。
ON : 昔、バディ・ガイがテレビで”I GOT YOU(I FEEL GOOD)”をとても速いバージョンで演奏をしていて、それがとてもクールだった。それをヒントに自分のバージョンを作った訳だ。それにアルバムのファンク&ソウルの雰囲気にもぴったりだった。”A CHANGE IS GONNA COME”はポップ系のシンガーGavin Degrawと長い間一緒にやっていた曲だ。常に大好きな曲だったし、スライド・ギターにはぴったりな曲でもある。まるで誰かが歌っているかのような音になるのさ。やらずにはいられない曲だった。

MM : セロニアス・モンクの”FIVE SPOT BLUES”ではあなたとジョー・ボナマッサの熱い演奏が繰り広げられています。
ON : 彼は最高だね。大好きなミュージシャンだし、とても素晴らしいギタリストだ!オールマン・ブラザーズのようなギター2本構成の曲だ。

MM : あなたはセロニアス・モンクの曲を度々取り上げていますが、モンクのどのような部分にインスパイアされますか?
ON : セロニアス・モンクの楽曲の中にはギターによく合う曲がいくつかある。それに、様々な違った表現方法で楽曲を演奏することもできる。自分のスタイルに合った解釈で演奏することもできる訳だ。

MM : ジミ・ヘンドリックスの”LITTLE WING”は多くのミュージシャンが取り上げている曲ですが、この曲に対してはどのようにアプローチしましたか?
ON : この曲では、普通とは少し異なることをしたいと思っていた。もっとスローで優美な雰囲気を狙っていた。別の空間に囲まれた雰囲気を持ちながらもブルースとソウルを感じさせる作りにしたかった。

MM : あなたはオリジナリティ溢れる独創的なミュージシャンですが、やはり最初は憧れのミュージシャンの曲をコピーすることから入ったのでしょうか? あなたがどのようにして自らのスタイルを確立するに至ったのかをお聞かせ下さい。
ON : 憧れのミュージシャンのコピーは沢山やったよ!自分のスタイルどうやって確立したかに関しては答えるのが難しいが、ともかくビバップやブルースを一生懸命、ディープなところまで勉強した。それは今でも続けていることだ!それが自分のプレイの鍵となる要素だ。

MM : 今作でも素晴らしいギターサウンドを聴くことができます。見事に曲にフィットしているそれらの音はどのようにして作り上げているのでしょうか?
ON : スタジオでは3種類のアンプを使っている。73年製のマーシャル、TWO ROCKのGain Master、そして64年製のフェンダー・スーパーリヴァーブ。今回のアルバムではギターも何本か異なるものを使用した。57年製レスポール・ゴールドトップ、グレッチのDuo Jet、68年製カスタムショップ・ストラと、そして58年製カスタムショップ・テレキャスター。ペダルも色々と使っている。メインのセッティングとしてはギターからXOTIC RC BOOSTERに繋げ、更にAC BOOSTERかIBANEZ TS808に繋げている。新しいVEMURAMのファズも使っている。あとはBOSSのディレイやMEMORY MAN、それにLINE6 M9を使うこともある。基本的にはベストなトーンを実現するために、ミックスダウンをする際は異なるアンプの音を混ぜるようにしている。

MM : ファンの人達へのメッセージをお願いします。
ON : 皆さん、こんにちは。新しいアルバムを楽しんで頂ければ嬉しいです。日本や世界のどこかでお会いできるのを楽しみにしています!Keep on rocking!

Oz Noy official site : http://www.oznoy.com/
Oz Noy facebook : https://www.facebook.com/oznoymusic/


Who Gives a Funk / Oz Noy

1. Come on
2. Flashback
3. Better get it in your soul
4. I got you (I feel good)
5. A chance is gonna come
6. Ice man
7. Zig Zag
8. Dam, this groove
9. Little wing
10. Five spot blues

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