Vol.7 Richie Kotzen / December 2011

Richie Kotzen

新作「24 Hours」をリリース(US)したリッチー・コッツェン。 今回のアルバムでは超絶なギター・テクニックと曲の良さがバランスよく配分されている。ギタープレイヤーは勿論のこと、ギターを弾かない音楽ファンの人達でも存分にリッチーの歌、そしてセンスに溢れ聴きごたえある曲を楽しめる内容となっている。 今回のアルバムの内容、そしてピックを一切使わないスタイルへと移行したギターのプレイスタイルの事など、色々とリッチーに聞いてみた。

Interview / Text  Mamoru Moriyama

Translation         Tomoko Kikuchi


Muse On Muse (以下MM) : アルバムの話をお聞きする前に、まずはあなたにとって久しぶりとなった今年の 5月の東京でのライブは如何でしたか?
Richie Kotzen (以下RK) : 東京公演はとても楽しかったよ。何年間も日本に戻ってこれなかったから・・。東京に居ることができて、長い間会っていなかった多くの親しい人達と再会できたのはとてもクールだった。

MM : あなたが認識していない状況で販売されていたミート&グリート特典付きチケットの件では、ちょっとした混乱があったようでしたが、実際はどういった状況だったのでしょうか。
RK : ミート&グリートをスケジュールすることや、特典付きチケットを販売することに対して僕は一切同意していなかったし、話すら聞いていなかった。エージェントが、僕に一切知らせずに勝手にやったことなんだ。あのエージェントと仕事をするのは、あれが最初で最後さ。

MM : それでも久しぶりにあなたのライヴを観ることができた日本のファンは素晴らしい時間を過ごせたようですね。
RK : それは良かった!みんなが素晴らしい時間を過ごせたようで嬉しいよ。

MM : それでは新作についてお聞かせ下さい。今回のアルバムの制作はいつ頃から始めたのでしょうか?
RK : 今までのほとんどの作品と同じように、このアルバムも長い時間をかけて制作したんだ。その過程の中で、僕は常に新しい音楽を作曲しレコーディングしている。世に出したいと思える曲が集まったら、アルバムとして仕上げようと考え始める。どんな音楽を作っているか、そして僕のムードによっては、数ヶ月または数年かかるんだ。

MM : 今回のアルバムの制作期間はどのくらいでしたか?
RK : 2、3年かかったよ。

MM : 今回のアルバムを制作する上でコンセプトはありましたか?
RK : コンセプトは全くなかった。僕は、コンセプトアルバムをつくるタイプのアーティストではないんだ。僕は基本的に僕が書きたい曲を作るし、もし世に出せるものができればリリースするよ。

MM : アルバムタイトルを「24 Hours」にはどういった意味が込められているのでしょうか?
RK : 意味はないさ。クールに聞こえると思っただけだよ。

MM : 今回のアルバムでも基本的にギター、ボーカルはもちろん全ての楽器パートをあなたがこなしています。アルバム制作において他のプレイヤーを招かないで作る場合、そして一人で全てのパートをこなす場合とにおけるそれぞれの利点についてあなたの考えをお聞かせ下さい。
RK : この方法で音楽を作る事は僕にとってとても簡単なんだ。他のプレイヤーに自分の音楽を教える行程を省けるからね。一方で、他のミュージシャンのアイディアを取り入れるといい時もある。これは、僕がよく考えるプロセスではなく、曲によって自然とそうなっていくものなんだ。以前のアルバムで、他のミュージシャンが僕と一緒にプレイしてくれたようにね。僕はどちらの方法も好きだし、このアルバムでは、たまたま僕がほとんどプレイしただけだよ。

MM : アルバムのクレジットを見ると”Stop Me”での共同作曲や、バック・コーラスであなたの娘さんであるAugustが参加していますね。今回、Augustに参加を依頼した経緯をお聞かせ下さい。
RK : ある午後に娘がピアノを弾いていて、気に入ったから何の曲か聞いたんだ。そしたら、娘が自分で作曲したと教えてくれたので、僕が歌詞をつけて今回のアルバムに収録したんだ。自分の子供と一緒に作曲できるなんて本当にクールだよ。20年前の僕には予想できなかったね。

MM : あなたのライヴにもAugustは参加しているようですが、MUSICIANとしての自分の娘さんとアルバム制作やライヴで共演する感想は如何ですか?
RK : 娘は素晴らしいミュージシャンになってきているし、すでに素晴らしいシンガーだ。僕のライブでもかなり歌ってくれているから、バンドの一員として彼女を起用できるのは感激だよ。

MM : アルバムのオープニング曲であり、タイトル曲でもある”24 Hours”は疾走感溢れるナンバーで、オープニングのギターフレーズ、歌とギターソロに至るまで正にあなたらしさが満載されている素晴らしい曲ですね。この曲のPVやYoutubeであなたの最近のライヴでも確認しましたが、最近あなたはギタープレイ時にバッキング、ソロともピックを使用せずにプレイする割合が以前よりも増していますか?
RK : 3年前にブラジルでツアーをしている時に、ピックを使うのをやめたんだよ。その時はとても退屈で創造力に欠けていて、僕のアプローチに変化が必要だったのと、何か僕のマンネリ化した状況を打破しなければいけないと思ったから、ピック奏法をやめたんだ。それがとても上手くいったから、ピックを使っていた時には思いつかないようなプレイや作曲をすることが出来ているんだ。

MM : ピックを使用せずに指弾きするのは、やはり指弾きならではのサウンドを狙っているのでしょうか?ピックを使用したプレイ、指弾きでのプレイ、それぞれについてあなたが考える曲に対するサウンド、プレイ面でのそれぞれの利点をお聞かせ下さい。
RK : 利点・不利点の問題ではなくて、音の問題だと思う。音が全く違うんだ。明らかに、ピックを使った場合のみ、またはその逆でしかできないことがある。その違いは明確だよ。

MM : フィンガーピッキングのスタイルを持つギタリストであなたが影響を受けたギタリストはいますか?
RK : もちろん。フィンガーピッキングについては、ジム・クウェスキンにはとても影響されたよ。

MM : “LOVE IS BLIND”では温かく情緒感溢れる素晴らしいギターを聴くことが出来ますが、ギターソロはインプロヴァイズでしょうか?
RK : そうさ。実はあのソロの最初の部分は、僕が子供の時に初めて持った本物のギター、Yamaha SBG 2000を使ったんだ。あのギターは僕にとって思い入れがあり価値を持つから、アルバムの中で使えるなんてクールな感じがするよ。

MM : “TWIST OF FATE”もアルバムのラストを飾るにふさわしい感動的なナンバーです。今回のアルバムを聴いていて感じたのですが、あなたは素晴らしいギタリストでありながらも、決してギターのみに考えを囚われるのでなく総合的な視点から曲を最善なものに仕上げるといった方向で益々才能を発揮しているようですね。この点についてあなた自身はどのように感じていますか?
RK : それは僕が歌っているからかもしれないな。もし僕がシンガーでなかったら、このような作曲は一切できていなかったはずだよ。ギタープレイは要因ではない。僕が歌うようになってからギタープレイも上達したし、今ではたまにギターソロをプレイするより歌うことを好む時だってあるんだ。

MM : 今回のアルバムに収録されている曲は、疾走感のある曲から美しい感動的な曲まで、どの曲も歌のメロディ、ギターが弾きだすメロディともに印象的で素晴らしいフックを持っています。あなたが曲作りする上で、常に心がけ、注意していることはどういった事でしょうか?
RK : 歌詞だね。そして僕が歌っていることと、メロディ。歌詞とメロディなしでは曲を作れない。次にドラムだけれども、ドラムはメロディの拍子に影響されるから、結局ボーカルのメロディーから全ては始まると思うんだ。

MM : アルバムの中で聴くことが出来るあなたのギターのトーンはウォームかつファットな素晴らしいサウンドですが使用したギター、アンプ、エフェクターを教えて下さい。
RK : ほとんどのアルバムで、僕のシグネチャーのテレキャスターとマーシャル 1974xアンプを使っていたよ。さらに、73年製 50 watt 4 input マーシャルとフェンダー Vibro Kingも使用した。オーバードライブでは、僕は未だにsobba drive breakを使っているよ。

MM : 日本ではFender Japanよりあなたのシグネチャー・テレキャスターであるブラックカラーのモデルTLR-RK/LTDが新たに発売されています。このギターについて従来のモデルとの違いについてお聞かせ下さい。
RK : 新しいモデルは、バスウッドで作られていてとても軽いんだ。音に変化があるから、それが主な違いだよ。従来のモデルの暖かい音に比べて、新しいモデルは平均的にパンチが効いている。新しいモデルは、よりアグレッシヴな音を出すと思うよ。

MM : あなたがギターを選ぶ上で重要視している点について教えて下さい。
RK : どう感じるかだな。最初手に持った時にどう感じるか、次にもちろん音だね。

MM : 今後の活動予定について教えて下さい。
RK : 2012年のライブのスケジュールを組んでいるところだ。ぜひ、richiekotzen.comでツアー日程をチェックしてほしい。

MM : 日本のファンへのメッセージをお願いします。
RK : 君たちの国では、すばらしいツアーの思い出がたくさんあるよ。24 Hoursを引っさげて、近いうちに戻れたらいいなと思っている。色々とありがとう!



24 Hours / Richie Kotzen

<収録曲>
24 Hours
Help Me
OMG (What’s Your Name?)
Get It On
Love Is Blind
Stop Me
Bad Situation
I Don’t Know Why
Tell Me That It’s Easy
Twist Of Fate

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