TREAT : Interview


●ロベルト・エルンルンド<Vo>
●アンダース・ヴィクストレム<G>
●フレドリク・トマンデール<B>
●ジェイミー・ボーガー<Ds>
●パトリック・アッペルグレン<Key>

Interview by Yuzi Okumura
Interview coordination, translation & all pix by Louis Sesto(EAGLETAIL MUSIC)

今年1月、“KAWASAKI ROCK CITY VOL.3”でEUROPEなどと来日し、メロハー寄り哀愁サウンドで喝采を浴びたスウェーデンの5人組、TREAT。
’10年に再結成作『COUP DE GRACE』を リリースするも、その後あまり目立った活動が伝わってくることはなく、’13年には活動停止がアナウンスされていたため、「何でこのタイミングで来日?」… なんて不思議に思っていたファンもいたかもですが──どうやら本人達としては、明確に解散宣言を出したつもりはなかったようです。
そして、実は来日後もその活動は継続され、この夏も彼等は地元のフェスに出演していた模様。つか、日本であれだけ大歓迎されれば、「よっしゃ、またやるか!」…なんて思うのも当然でしょう。
そんな中──ひょんなことから、「メール・インタビュー出来るけど?」…というハナシを頂いたので、色々と質問を送ってみました。
来日からちょっと期間が空いてしまったものの、以下にお届けする各メンバー(鍵盤奏者を除く)からのコメントを読んで、今度はファンの皆さんが「よっしゃ!」と叫ぶ番ですよ~。

Q:“KAWASAKI ROCK CITY VOL.3”での来日公演を振り返ってみていかがですか?
ロベルト・エルンルンド:最高だったよ! 日本は素晴らしい国だし、日本の人達はとってもフレンドリーで、優しい人が多い。早くまた日本に行きたいという気持ちになるね!
フレドリク・トマンデール:日本のみんなの丁寧なおもてなしには本当に驚かされたし、沢山の素晴らしいファンがライヴを観に来てくれて嬉しかったな。またすぐにでも日本へ戻りたいよ!
アンダース・ヴィクストレム:日本の人達のおもてなしにはビックリだったよ。長いこと日本へ行ってなかったにもかかわらず、今も熱心なファンが沢山いてくれたことにも驚きを隠せない。だって、前回の来日公演(’90年)の時には生まれてもいなかったような若いファンまでもが、沢山いたんだからね!

Q:ただ、バンドは’13年に活動終了のアナウンスを出していましたよね? そもそも、どういった経緯で来日が決まったのですか?
アンダース:正直、『COUP DE GRACE』がリリースされてから、もうかなり時間が経っていたこのタイミングで、日本ツアーのオファーがきたのは驚きだったね。でも、日本は行く価値のある国だし、そのオファーを受けない手はなかったよ。


Q:来日ラインナップは、ベースのフレドリクを除けば、みんな’80年代からのメンバーです。今回、ケン・ジーヴェルトやヨアキム・ラーションなどの初期ベーシストが加わる可能性はなかったのでしょうか?
アンダース:ケンは’88年にバンドを脱退しているし、ヨアキムは’93年に脱退した。彼等は今、別の人生を歩んでいて、再結成に参加する状況にはなかったのさ。

Q:’06年の再結成時にベーシストとして加わったナーレ・パールソンも、’12年に脱退してしまいましたね?
アンダース:’12年に脱退して以来、ナーレとは連絡を取っていないんだ。だから、今の彼についての詳しい情報は持っていないけど、どうやらソロ・アルバムを制作しているらしい。彼の幸運を今も願っているよ。
フレドリク:ケンとヨアキムは、もう何年もバンドから離れているし、再結成後は、僕がナーレに代わってベースを弾くことになった。だから、今回のツアーに僕が参加するのは、ごく自然な流れだったよ。

Q:フレドリクはどのようにしてバンドへ迎えられたのですか?
アンダース:実 は、ヨアキムが脱退した時にも、一度フレドリクに参加を打診していたんだ。でも、彼はその時、他のことで忙しくしていたし、そもそもTREATのメンバー もお互いに疲れていて、バンド自体を休むという方向へ向かっていた。だから、その時はフレドリクの加入には到らなかったのさ。
でもその後、 ’97年から俺は、フレドリクと作曲やプロデュースの仕事を一緒にやるようになってね。その仕事は今でも続いていて、世界中の数多くのアーティストを手掛けて成功もしている。そういった経緯もあって、ナーレが脱退した時、フレドリクに入ってもらうのは自然な流れだった。フレドリクは、『COUP DE GRACE』制作中も曲作りやミックス作業に携わっていたしね。
フレドリク:アンダースの言う通り、’92年にオファーを もらった時は、別の仕事をしていたから、加入することが出来なかった。でも、『COUP DE GRACE』の作曲やミキシングに関わっていたのもあって、前任者の脱退に伴い、新しいベーシストが必要になった時、僕が加わるのは自然だったんだ。あと ──ルックスのイイ僕が、きっとこのバンドには必要だったんだろうな!(笑)


Q:“KAWASAKI ROCK CITY”での演目はどのようにして決めましたか? ファンからもリクエストを募っていたようですが…?
アンダース:自分達がライヴでやりたい曲を選ぶと同時に、日本のウェブサイト(treatjp.com)でリクエストを募った結果も反映されている。今回はヘッドライ ナーではなく、時間も限られていたけど、もっと長いセットを演奏する機会があれば、他にもプレイしたい曲はあるし、もっとリクエストにも応えられたと思 う。

Q:途中、メドレーもやっていましたね?
アンダース:メドレーはほぼ全てのショウでやっている。特にフェスティヴァルでは、時間の制約があって、限られたセットでしか演奏出来ないからね。少しでも多くの曲をライヴで演奏したいという思いから、こういったメドレーをプレイしているんだよ。

Q:“KAWASAKI ROCK CITY”での共演バンドについてはいかがですか? EUROPEやCRASHDIETのメンバーとは、元々面識や交流がありますか?
アンダース:EUROPE のメンバーとは、バンド結成当初からの知り合いさ! ’84年の結成間もない頃にも、ストックホルムで一緒にライヴをやったことがある、古き良き友達だ よ。CRASHDIETに関しては、俺とフレドリクで彼等のデビュー作(’05年『REST IN SLEAZE』)の作曲を手掛けたから、よく知っている。但し、実際にライヴで共演したのは、スウェーデンで1回だけなんだけどね。

Q:ところで、ジェイミーのケツ出し衣装はなかなか強烈でしたね!(笑)
ジェイミー・ボーガー:あれは確か、’89~90年の『ORGANIZED CRIME』(’89)に伴うツアーの頃に思いついたイタズラだよ!(笑) あのツアーでは、革製のチャップスの下に色とりどりのタイツを穿いていたんだけど、ある日、タイツの お尻の部分をハサミで切ってみたのさ。そして、ドラム・ソロが終わったところでお客さんにケツを向けてみたら、思ったよりも反応が凄くて、その上メンバー にも大ウケでね…! その日から1年ぐらい、毎晩ショウでやっていたよ。でも、最も反応が良かったのは、その頃の日本公演だったな。
あれから25年──もうずっとやっていなかったけど、25周年記念として、久々の日本でまたケツ出しすることにした!(笑) 今回もウケてたと思うんだけど…。まぁ、少なくとも俺は楽しかったよ!

Q:そういえば、『COUP DE GRACE』リリース時のコスプレっぽいメンバー・ショットも興味深いモノがありました!
アンダース:あの時は、戦場から戻って来た5人を表現しようとした。20年の時を経たメンバーの姿を、ユーモラスに描いてみたかったのさ。アルバムに収録されている幾つかの楽曲や、イントロに出てくる隠喩的なテーマでもあるしね。

Q:さて、今後のTREATとしての予定は? この日本公演をキッカケに、また精力的に活動を再開する予定はありますか?
アンダース:俺 は今まさに新曲を書いているところで、早く他のメンバーにも加わってもらおうと思っているんだ。日本であれだけの歓迎を受けて、興奮しないワケがないだ ろ? 30年も前に書いた曲を、遠い異国の地で今も演奏出来るなんて、誰にでも可能なことじゃない。ともかく、驚きの連続だったね!

Q:各メンバーは、現在TREAT以外にどんな活動を行なっているのですか?
アンダース:今は様々なプロジェクトにソングライターとして携わっている。だから、今年中に幾つかのリリースがあるんじゃないかな。
ロベルト:今は音響エンジニアとして働いていることが多い。夏はゆっくりヴァケーションを取っているけどね。
ジェイミー:ロック系やポップ系の様々なスタジオ・プロジェクトに、常に携わっているよ。ずっと曲作りも行なっていて、そういった曲は、LAST AUTUMN’S DREAMのアルバムに入ることが多い。今もちょうど、LAST AUTUMN’S DREAMの新作に取り掛かり始めたところなんだ。勿論、他のプロジェクトに自分の曲が使われることもあるだろう。あと、SECRET SERVICE(’80年代に人気を博したスウェーデンのポップ・バンド)と年間30公演のツアーも行なっていて、他にも様々なセッションに参加し、常に ドラムを叩き続けているよ。
フレドリク:僕はソングライター兼プロデューサーとして仕事をしていて、アンダースとは何年も コンビを組んでやってきている。主にロック~ポップ系のアーティストと仕事をすることが多くて、これまでにSCORPIONS、GOTTHARD、 BACKYARD BABIES等のロック系、NSYNCや嵐といったポップ系のアーティストとも仕事をしたことがある。最近日本でリリースされた作品だと、少女時代の 「PAPARAZZI」を手掛けたね。

Q:では最後に、日本のファンに一言ずつお願いします!
ロベルト:日本公演を楽しんでもらえたかな? これからも是非、応援をよろしく。そうすれば、また日本に戻ることが出来るかもしれないから!
フレドリク:日本に呼んでくれてありがとう! 日本はイチバンだよ!!
アンダース:長い間、TREATを待ち続けてくれた日本のファンみんなに感謝したい。俺達も25年間、待ち続けていた甲斐があったよ。次は25年も待たせないからね! ドウモアリガトウ!!

TREAT Facebook: https://www.facebook.com/treatofficial

DEF LEPPARD (デフ・レパード) 7年振りスタジオアルバムが10月30日にリリース!

デフ・レパード7年振りスタジオアルバムがついに完成!全てメンバー自身が手がけた楽曲を収録し、バンド名をそのままタイトルに冠した100%セルフ・プロデュース作品が2015年10月30日にワードレコーズよりリリースされる。
1,000セット通販限定のCD+2LP+Tシャツ2種(TYPE A&B)/メンバー全員直筆サイン入りBOX ¥20,000(税抜) も用意されておりワードレコーズのサイト http://wardrecords.com/ にて予約受付中。

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Carl Verheyen (カール・ヴァーヘイエン) オフィシャル・スコアが登場!

LA屈指のセッションギタリストであるCarl Verheyen (カール・ヴァーヘイエン) のオフィシャル・スコア(TAB譜付)が登場した。

LA音楽シーンにおける”ファーストコール”のセッションギタリストとして、これまでにビージーズ、リトル・リチャード、ジョン・フォガティといった数々の大物アーティストとの共演や「STAR TREK」や「クロウ/飛翔伝説」、「交渉人」をはじめとし、ここではとても全てを挙げきれないほどの数多くの有名映画作品のサウンドトラックへの参加に至るまで多大な実績を築いているCarl Verheyen (カール・ヴァーヘイエン)。
英国のロックグループであるスーパートランプにおけるアルバムや大規模ツアーへの参加でも知られており、自身のソロ作品やCarl Verheyen Bandでは玄人好みの熱心な音楽ファンを中心に米国、ヨーロッパで支持を集めている。
今回、カールがこれまでに作り上げたアルバムの中から選りすぐられた楽曲のスコア「Carl Verheyen / songbook」が登場する。
当スコアは19曲の楽曲(TAB譜付)+ チャート譜による各楽曲で構成されている。今回のスコア制作にはカール本人が細部にまで携わったより正確なスコアとなっている。

Carl Verheyen official store : http://www.carlverheyen.com/store-cds/
 

<Transcriptions>
1.Big Sur
2.Chinatown
3.Down Like Hail
4.Eastern Steppes
5.Garage Sale
6.Highland Shuffle
7.Maggie’s Ladder
8.Nordenham
9.Passing Through
10.Place For Me
11.Revival Downs
12.Riding the Bean
13.Slang Justice
14.Slingshot
15.Taylors Blues
16.Topanga Hoedown
17.The Road Divides
18.Wasted Blues
19.Wildflowers #2

<Charts>
Highland Shuffle
Garage Sale
Down Like Hail
Passing Through
Jet Plane Blues
Slang Justice
Slingshot
Nordenham
Revival Downs
Wasted Blues
Chinatown
Place For Me
Maggie’s Ladder
Take One Step
Topanga Hoedown
Dusk Part 1
Dusk Part 2
You Bring Me Down
Eastern Steppes
Higher Ground
On Our Way
NewYears Day
Taylors Blues
4th Door on the Right
Amandola
Fusioneers Disease
Riding the Bean

Billy Sherwood (ビリー・シャーウッド) 新作「CITIZEN」をリリース!

LODGICやWORLD TRADE、YESでの活動(1994年[“Talk” Tour]、1997年 ~ 1999年)で知られており、現在は他界したクリス・スクワイアに代わりYESのベーシストとしてツアーに参加しているBilly Sherwood (ビリー・シャーウッド) のコンセプトアルバム「Citizen」が国内では2015年10月28日にワードレコーズ、海外では2015年11月6日にFrontiers Music Srlよりリリースされる。

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Deep Purple (ディープ・パープル) Wacken Open Air [2013年8月] でのライヴを10月にリリース!

2013年8月、ヨーロッパ最大級のメタルフェス“ヴァッケン・オープン・エア”にディープ・パープルが降臨!最新スタジオ・アルバム『ナウ・ホワット?!』を引っ提げての第9期ラインナップによる怒涛のステージ・パフォーマンスを収録した作品『フロム・ザ・セッティング・サン… ディープ・パープル  ライヴ・イン・ヴァッケン  2013』がワードレコーズより発売 [2015年10月21日(水)] される。

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Vol.52 Gustavo Carmo / September 2015

Gustavo Carmo

“Our Lives, 13 Years Later…” released in 2014, is a highly technical and melodic instrumental album featuring a mix of metal and fusion aspects by ex-ANGRA drummer Aquiles Priester and VERSOVER guitarist Gustavo Carmo. Many metal fans may know the name Aquiles Priester, especially with his success as a member of ANGRA, a band widely recognized internationally. But the name Gustavo Carmo may not sound as familiar to many yet? Listen to “Our Lives, 13 Years Later…” and you will hear what Gustavo is all about! The album features guest guitar players such as Tony MacAlpine, Vinnie Moore and Greg Howe. Listening to the album, you will understand that Gustavo Carmo proves to be no less than the highly renowned and technical guest musicians, and deserves equal recognition. Gustavo took time to talk to MUSE ON MUSE in detail about his musical background, about playing guitar and about “Our Lives, 13 Years Later…”

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Vol.52 Gustavo Carmo / September 2015

Gustavo Carmo

ANGRAの元ドラマーであるAquiles Priester(アキレス・プリースター)とVERSOVERのギタリストであるGustavo Carmo(グスタボ・カルモ)の二人の超絶技巧派ブラジリアンミュージシャンにより2014年にリリースされたメロディックで秀逸なメタル/ロック・フュージョン曲揃いのインストゥルメント作品「Our Lives, 13 Years Later…」。

日本でも高い人気を誇るANGRAのメンバーとして活動していたアキレスの名を知っているメタルファンは多いと思われるが、ギタリストであるGustavo Carmo(グスタボ・カルモ)についてはその名を初めて耳にする人もいるのでは?
しかしながら、「Our Lives, 13 Years Later…」で聴くことができるグスタボのテクニカルかつセンスに溢れたギタープレイは、ゲスト参加しているトニー・マカパイン、ヴィニー・ムーア、グレッグ・ハウといったギタリスト達と比べても遜色ないものであり、グスタボが注目に十分値するギタリストであることを聴く者に強く知らしめている。

Gustavo Carmo(グスタボ・カルモ)に彼の音楽的なバックグランドやギタープレイ、そして「Our Lives, 13 Years Later…」について訊いた。

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